Another-2年後のミサキ-本編
4月6日2
学校に着くと真月は、私の手を放した。
*
私は今、クラス表の前に真月と一緒に立っている。
正確に言うなら、真月に連れてこられて、真月が勝手に止まっているだけ。
「おい、美咲。」
真剣な目で私に問いかける真月。
「何?」
「大丈夫…か?」
「大丈夫。心配しないで。」
「困った事があれば言えよ。」
それだけを、言い残して真月は逃げるようにして校舎内へと走っていった。おそらく、自分のクラスだろう。
そう、真月は〈災厄〉のことを知っている。一昨年の卒業生に聞いたらしい。
*
私は、教室へと向かった。
「美咲」
いきなり話しかけられて、少し驚く私。
声を発したのは、さやかだった。
「さやか、おはよ。」
「あ、うん。おはよ…。」
おかしい。さやかは、いつもキリッとしているはずだが、今日は俯いたまま、私の顔を見ないまま、挨拶を返してきた。
「…じゃぁ」
さやかは、そう言って教室の中へと走っていった。何か、寂しいな…。
*
それから、何事もない時間がすぎ下校時刻へとなった。
結局、さやかとはあれきり話していない。というか、目すら合わせていない。嫌われたのかな?何かしたかな?と考えながら歩いていると、真月ね姿が見えた。
話かけようかと思ったが、やめておいた。そんな気分ではないから。
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