その他
興味本位
(リクエスト・神威×♀桂)
強いヒトが好き。強ければ強い程好き。
それは肉体面でもあるし、精神面でもある。
その強さを、力を、心を、ねじ伏せる瞬間がたまらない。
悔しそうに歪んだ顔や、信じらんないと驚愕に揺れる顔、いろんな最期を見てきたけれど、それらは過去に倒したもう既に自分よりも弱いモノ。
倒しても壊しても満たされるのは、強さを打ちのめす刹那のみ。
「だからね、少し興味対象を見守ってみようかなって」
お楽しみを取っておくのもまた一興かな、なんて。
それに相手が一番強い状態でなければ、意味がない。
「それでね、彼の周りを調べてみたんだ、そしたら」
あんたがいた。
「お姉さんに、興味もっちゃった」
あの銀髪と隻眼を魅了するものは何なのか、とっても興味深い。
「俺はお前に興味などない。」
「そんな連れないこと言わずにさ、少し遊んでよ」
自分が春雨の一員でつい最近に坂田銀時と戦った、という事ぐらい知っているだろうに、微動だにしないのは流石というべきか。
「美人さんなのになんで普段、男の格好なんてしてるの?でも今みたいに女の格好もする‥アイデンティティ、めちゃくちゃだよね」
ピクリと僅かに動いた手先。
「新しい道も選べず、でも狂気に身を任せることも出来ず、みんな中途半端だ」
「ふ、動揺でも誘っているのか?お生憎様。使えるものならば自分の体だって、何だって、使うさ」
鋭い眼孔にゾクゾクと言葉に表しにくい高揚が体を駆けた。
「強い女性は好きだよ。どう?今晩僕が買ってあげようか?」
間合いを詰めて、顎に手を沿わせ少し角度を上に付け至近距離で囁く。
「夜遊びを覚えるにはまだ早いぞ、童」
ニッコリ、完璧な作り笑いでも美人にされると迫力があるとしみじみ思った。
『桂ぁぁぁぁぁ!!』
段々とサイレンや数多の足音が近付いてくる。
黒服が背にある表通りを横切った。
「タイムオーバーだ」
一瞬のうちに屋根へ飛び移る姿はまるでしなやかな猫のようで。
まだまだ地球(ここ)には退屈しなくて済みそうだと走り去る獲物を今はまだ、見送った。
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