パリエッタへようこそ
ご注文をお伺いいたします
都会から少し外れたところに、イタリア料理のおいしい店として主に女子から人気のある『パリエッタ』という店がある。

俺はその『パリエッタ』でホールのアルバイトをしている。


俺の通っている大学は都内にあり、ここは少し寮から離れているが、同じ大学に通う奴等には会うことも無いし、バイト代も都内と比べると下がるがまぁそこそこ貰えるしいいか、という理由で選んだ。

特に前者は俺としては重要で、こんな働いている姿を大学の連中に見られたらマジで死ねる。
なんてったって大学では地味、根暗のもてない男三大要素の内二つにはまってしまっている俺。
そんな奴がこんな洒落た店で働いているのがバレたら非常にマズイ。
絶っ対にたかられるに違いない!という俺の予想はあながち間違っちゃいないと思う。


そんな俺が考えていた心配事も起きることなく働き始めて今日で5カ月がたった。
最初はメニューを覚えたり、年下の女子に接客技術について教えられたり(これは結構恥ずかしかった)キッチンから客席までの最短距離を編み出すのに時間がかかったけど今は慣れて毎日楽しくやっている。

ネクタイをしめ気合いを入れる。腰エプロンを結んでっと…

「さ、てと、今日も頑張るとしますか」

俺は厨房に続くドアを開けた。
「田中入りました!よろしくお願いします!!」
「「「よろしくお願いします!!」」」

いい汗掻くぞなんて青春臭いことを考えながら、一歩踏み出した。




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あきゅろす。
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