SWEET DREAMS(GH)
「…ん…」
何かの物音でぼんやりと目が覚めた。
もう彼の帰宅する時間か。
微かだが寝室の扉の開く音がして、廊下からの光が射し込むのが見えた。
「が、ちゃん…?」
「うん。ただいま、ハイド。」
頬に彼の冷たい手が触れる。
彼の指先が眉のラインをなぞり、瞼、鼻、唇、顎。
凄く優しく、壊れ物でも扱うみたいに。
その動作があまりに心地よくて、また睡魔が襲ってきた。
ふふっ、くすぐったいよ…。
「いいじゃない。僕今、ハイド欠乏症なの。」
なに、それ。新種のびょうき…?
「うん。今度学会で発表しようと計画中。」
あはは、患者さんがいっぱいで、俺は大忙し、だね…。
「そうかも。でも、治るのは世界中で僕一人なんだ。」
ん…?だめだおれ、眠くてなにもかんがえられない…。
「だってハイドは僕だけのハイドで、誰にもあげるつもりないからね。」
ふふっ、がっちゃん、こども、みたい…だよ…。
「勿論。ハイド欠乏症の末期患者だからね。」
…うん……。でもおれ、もうすっげぇねむくて、げんかいかも…、しんな…い…。
「うん、そうだね。おやすみハイド…。」
おやすみ……がっ、ちゃん……。
「いい夢を。」
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