こんな風に愛してくれるなら、/GH 「なぁ、がっちゃん」 体育座りでテレビを見ていたハイドから名を呼ばれた。 「なに?」 ハイドが見ているのは、僕が以前出演したドラマを録画したものだ。 「がっちゃんってさ、ほんとカッコええよなぁ」 テレビ画面を見つめたまま、独り言のようにそう呟いた。 「なんかさ、レクター博士みたい」 「うん。僕も台本読んだ時そう思った」 「でも、なんつーか、がっちゃんにしか出来ないレクター博士、みたいな…」 ハイドを見つめる僕と、テレビを見つめるハイド。 視線は合わないまま。 「やっぱがっちゃんはカッコええよなあ…」 「ふふっ、可愛い事言うね」 自分の演技を認めてもらえるのは嬉しい。 それが愛しい人なら尚更。 けれどハイドは、何か考え込んでいる様に見えた。 「…どうしたの?」 「あ、いや…なんていうか、俺、がっちゃんになら食べられてもええなぁて思って…」 「…」 「がっちゃんなら、俺の体を全部、一片も残さずに食べてくれそう……そしたら俺は一生、がっちゃんから離れる事もなくて、がっちゃんの一部になれるのに」 そう言ったハイドが可愛くて、首筋に噛み付く真似をしてキスマークを付けた。 君となら、何処までも墜ちていける。 (僕達は狂ってる。) 前次 |