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恋は惚れた方が負けなの。/GH
俺は知ってた。






彼が俺に向ける、視線の意味。






熱の籠もった瞳が、俺を捕らえて離さない。

あの青く澄んだ瞳の奥の、彼の心。

いつも『好き』だの『可愛い』だの、冗談めかした言葉に隠された、彼の本当のキモチ。












「がっちゃんはさー、本気で俺が好きやんなぁ?」



「………え!?な、何?」

がっちゃんって、意外にもポーカーフェイスとか出来へんやんな。
あ、もしかしてそれも俺の前でだけやったりするんかな?
「ん?俺の事が好きデショって」
「ど、どうしたの急に」
「え、がっちゃん俺の事キライなん!?うわぁ、はいどショックー」
わざとらしく泣き真似してやると、かなり慌てた様子。
「そんな訳ないじゃない!何言ってんのハイド。大好きだっていつも言ってるでしょ」
「そんなんいらんー!がっちゃんはそんなん誰にでも言うてるやんーー。愛が感じられない!もういいっ!がっちゃんは俺がキライなんや」
拗ねたように唇を尖らせると、彼はいよいよ困ったような表情になって、なんだか可哀相。
でもまだダメ。
今日はそんなんじゃ全然足りない。

ちゃんと俺に愛の告白をしてみてよ。


「ちょっとハイド、どうしたの。なんか凄く可愛すぎるんだけど」

がっちゃんにとって俺は、“たくさんいる可愛い人たち”の中の一人なの?

「がっちゃんの“一番”は誰なの?」

地面を睨んだ俺の視界の隅で、がっちゃんが驚いているのが判る。

「がっちゃんの“特別”は誰なの?」


俺でしょ?
俺が一番なんでしょ?
俺が、がっちゃんの特別、でしょう?


何だよ、俺をこんな乙女思考にしやがって。
俺を好きなくせに。
あんなに熱い視線を送ってくるくせに。

なんで俺ががっちゃんに片思いしてるみたいになってんねん。



「だぁぁぁぁぁぁあッ!!もうヤダ!何言ってんねん俺!もう帰っ……ん………っ!」

もう帰る、と告げる筈だった俺の言葉は、吐息ごと彼の唇に奪われた。


「ふ、あ……っんん、……っ、」

それはいつもの軽いキスなんかではなくて、明らかな情欲を含んだ激しいキス。

「……が、ちゃん……っ…ふ…」


それは間違っても“大勢”にするようなものではなくて。

重ねられた唇から、充分すぎる程に彼のキモチが流れ込んでくるようなもので。

























「もう、ハイドも僕を好きだったんなら早く言ってよね」

散々、そりゃあもう首が痛くなるほど(この憎たらしい身長差の所為で)、俺の唇を堪能した後、奴はのたもうた。

「ハイドの所為で、ガラでもない我慢しちゃったじゃない。ああ、もっと早く手を出しとくべきだった」
「………」

「あ!ハイドのあの可愛すぎる台詞、録音しておけばよかった」
「………」

「“がっちゃんの特別は誰なの?”かぁ」
「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁあッ!!!!///」

もう聞いてられない恥ずかしすぎるもうヤダヤダヤダヤダ

「ハイドに決まってるでしょ、そんなの」

あの無駄に整いすぎた顔に満面の笑みでそう言われ、自分の顔に熱が集中するのを止められない。

ちょっと不意打ちとかマジやめて心臓に悪いから!

「これからは恋人同士になれるね、僕ら」






「そ、そこまで言うなら、なってあげない事もない…よ…///」

「ふふふ、ハイドは本当、可愛いんだから」



あきゅろす。
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