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birdcage side K
『お前が呼べば、いつだって───』


彼は本当にそれをやってのけた。

ボクが一言告げるだけで、彼はいつもかけつけてくれる。
仕事中でも、眠っていても、告白されている途中でも。

ボクは知っていながら、いつも彼を呼ぶ。
彼はいつだって、ボクを選んでくれるから。

依存している自覚はあった。
でも彼の腕から抜け出せなくて、ボクはどんどん弱い人間になっていった。
堕ちていくのは実に容易で、ボクはすぐに、彼なしではいられなくなった・・・








「……キラ?」

電話越しに聞こえる彼の声は優しくて、甘い。
確か彼は今、飲み会の筈だ。
恋人のいない彼は、はっきり言ってモテるのだ。
ボクは、それを黙って見ている親友。
おそらく彼にとって、誰よりも大切な親友。
そしてボクは、ソレにとても満足している。
時々、恋人じゃないかとか言われるケド、男同士でそんなコトある訳ないじゃないかって思う。

確かなのは、ボクが彼の“一番”だってコト。

「──…今すぐ、来て…?」

その証拠に。

「ああ、すぐ行くよ。家にいるんだろう?」

ほら、彼はボクが“一番”なんだ。

「うん」









「ただいま、キラ。遅くなってゴメン」
そう言って彼は、ボクの部屋のドアを開ける。
電話を切ってから30分しか過ぎていない。きっと、すぐにタクシーで駆け付けてくれたのだろう。
──全然“遅くなって”なんか、ないよ…。
ボクはベッドの上で膝を抱いたまま、彼が側に来るのを待った。
視線は足元に向けたままで。
ベッドが軋んで、彼がボクの隣に腰を下ろした。
彼の器用な長い指が、ボクの髪を優しく撫でる。それでもボクは無言のまま。
「どうしたんだ?」
その一言に、ボクは彼の服の裾を掴んだ。
微笑む彼に、それでも顔を上げない。
「……甘すぎるよ、アスラン。過保護だ…」

僕の囁きに、アスランが微笑んだ。
これ以上ない程に妖艶に。

「最初から知ってたくせに」



ああ、そうだ。

ボクは一生、彼から離れられないんだ──…



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20090323 加筆修正。

これも確か高三の時のやつ。(←だから勉強しろよ



あきゅろす。
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