傷付ける事しか出来ないの。
我ながら、陳腐な策だと思った。
この身体で、彼を手に入れようなどと。
けれど、彼の美しい瞳に、情欲の色を見た。
彼の腕に抱かれ、
彼の熱い吐息に包まれ、
甘い声をあげながら 僕は
自分が堕ちていく音を聞いた―…
彼を憎む僕と
僕を愛した彼は
皮肉にも同じ手段を選んだ。
体を繋げる事で 互いを縛った。
“ボクをあげるから”
キラ…キラ。…キラ……ッ
好きで好きで仕方がないんだ。
…どうしたらいい…ッ?
本当にお目出度い人だな君も。
君はボクの体が欲しいと言った。
だからボクはこの体を君にあげた。
この体だけを。
違う!俺はお前が欲しかったんだッ!
だからあげただろう?
この体を君の好きにさせた!
この唇も、この胸も、この脚も、内(ナカ)も!!
違うんだキラ…っ違うんだよ……
…俺はお前を愛してるんだよっ…
―――全てが、もう遅い。
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
ちょこっと予告編っぽく。
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