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湧いた頭で考える、









「アスラン、アイス」

「は?」

素直に欲求を口にすれば、呆れたような翡翠の視線が寄越される。

「だから、アイス」
「38度5分の人間にしては随分元気な欲求だな」

そんなことを言われたって、食べたいものは食べたい。
それに、高熱の時のほうが意識ははっきりしてくるものだ。
ただ、体がその意識についてこないだけで。

「アイスー」
目の前の広い背中に抱きつく。
抱きつくというより、まっすぐ立てないこの体の支えに使わせてもらった。
「キラ、かなり邪魔」
ずっとパソコンに向かって黙々とキーボードを叩く彼は、視線は寄越さず言葉だけ返す。
「役立たず」
「チッ…」
不快指数MAXな舌打ちが聞こえたかと思うと、アスランの鋭い瞳がボクを捉えた。

「襲うぞ」
「どうぞ。むしろ大歓迎」

そして、沈黙。

先に目を逸らしたのは彼だった。
さっきより幾分か疲れて見える彼の背中からは、心底鬱陶し気な溜め息。
再び始まるキーボードを叩く音。

彼は何も言葉を発しない。

ボクはもう一度抱きついた。
「ねえ、しないの?」
「お前はいい加減にしろよ。俺に伝染す気か」

やっぱりアスランはボクに背中を向けたままで、視線もくれない彼にムカついて、彼の耳元に舌を這わせた。
「ッ!…キラ!」
「したいくせに」
吐息だけの声にして、熱い息を彼の耳に漏らす。
ゆっくりと目の前の首に腕を回した。
そして、手探りでボタンを一つずつ外していく。


「―ったく、俺が風邪ひいたら看病してくれるんだろうな?」


「もちろん」







(風邪の時は誰かにくっつきたくなるものなの。)



あきゅろす。
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