笑う、わらう。/復活(骸ツナ) 「許さない、許さない、あんな…あんな事、許されないんだ!」 こうなってしまった骸は誰にも止められない。 何だろうと誰だろうと破壊する。 「君に触れるなんて、許さないっ!」 「…うん…。わかったよ…ごめん…」 「君以外の人間なんて、一人残らず殺してやるっ」 「………うん…」 目の前の黒髪を撫でながらその背中をぽんぽんと軽く叩いた。 「君に触れるのは僕だけだ、それをっあんな、汚い手で…っ」 オレの腰に抱き付きながら、骸は幼い子供のように大人しくオレにあやされている。 そうして教室を見渡せば、見るも無残な姿に変貌した机や椅子。 正確には、机や椅子、だったもの。 今や形も変わって、きっともう本来の役目を果たさない残骸達だ。 硝子のなくなった窓から入る、少し冷たい風が心地良い。 骸が正気に戻ったら、術でなんとか戻せるか聞いてみよう。 最早こちらの言葉は届かない、この守護者を抱き締めながら、ぼんやりとそんな事を考えていた。 (オレに全てを明け渡して縋るこの男を、一体、誰が拒めると云うのだろう。) 前 |