WJ 大胆行動(謙蔵) 「ヘタレ言うな」 珍しく真剣な眼差しで言う謙也。 と、 その意外な反応に驚く俺。 数分前、 部活が終わり帰宅準備をしていた。 最初はいつも通り話していたはずだ。 謙也が馬鹿な発言する度にツッコむ。 飽きもせず毎日繰り返した。 優位な立場に居たんだ。 それなのに今、関係が逆転し、何故か俺の方が追い詰められている。 「…何なん?お前らしくないやんけ」 高鳴る鼓動を抑え、平静を装いつつ疑問をぶつけてみる。 「真剣な顔してどないしたんぁ…‥、んっ?!!」 気付いたら謙也の顔が目の前にあって俺の口を自身のそれで塞いでいた。 1回目は触れるだけ。 2回目は深く深く入り口内を侵していく。 いきなりの事で驚き反応が遅れたが俺は抵抗せず絡められる舌にされるがままになっていた。 だんだん苦しくなり背中を叩けばゆっくり離れてくれた。 互いを繋ぐ銀色に引く糸。 乱れた呼吸を整えるため酸素を求める。 「…謙、也?」 「真っ赤(笑)」 予想外の事ばかりで思考がついていかない。 ただ笑いながら言われ、急激に顔に熱が集まるのが分かった。 「Σあ、当たり前やろ// いきなりやられたら誰だってなるわ!」 「なる?」 「なる!」 してやったり顔を見ると腹が立つが格好いいとも思ってしまう。 そんなベタ惚れな自分に泣けてくるが今幸せだから良しとしよう。 (不意に見せる顔が堪らなく格好いい) 何て事は絶対本人には言ってやらない。 * END * (ほんま今日どしたん?) (秘密や) (言え) (…キスしたいと思ったからしただけや) (なっ//) [*前へ][次へ#] [戻る] |