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悪戯書き集
友人解釈
鉢植翔鹿(はちうえしょうか)
情報通の女の子。
深紀真優(みきしんゆう)
DQNネームの女の子。


普通で平凡な人生。普通で一般な友達。
「……ごめん、ごめんね」
目の前で翔鹿が泣いている。何がそんなに悲しいんだろう。
「真優ちゃんは普通が好きなんでしょ、平凡が良かったんでしょ」
そうだ、私は普通が好きだ。だからどうしたんだよ、いつものように親友ちゃんって呼んでくれ。そう言うと翔鹿はより一層涙を流した。そんなに泣かないでくれ。
「わっ……私は、普通じゃなくなっちゃったよ。もう親友なんて呼べないよ……」
私は黙った。
翔鹿の泣き声だけが部屋に響く。
「……翔鹿は馬鹿だな」
私は微笑んで翔鹿の頭を撫でてやる。すると翔鹿はぴたりと泣き止んだ。
「普通と親友を天秤に掛けたら親友の方が重いに決まってる」
想いが重いしな、なんていつものシャレも付け加える。
「それに、親友を取る方が『普通』だろう?」
「で、でも!普通の行いをしたって普通の親友じゃないことには変わりないんだよ!?」
「普通であろうとなかろうと、私の親友だということには変わりないじゃないか」
「……そう、かな?」
私は笑った。
「そうだよ」
翔鹿も笑った。

2011/04/15

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あきゅろす。
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