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悪戯書き集
ロイヤルドール
「僕は貴方の忠実なるシモベです」
「うんうん、おっけーおっけー」
彼女は気味悪くニンマリと微笑む。
「君が居れば私は満足、納得、安心!何も心配しない」
そうして跪いているシモベの頭を優しく撫でる。
「だから、ずっと私に仕えて?世話をして?」
彼女の甘ったるい声が更に蜂蜜を混ぜたかのように甘くなる。
それでもシモベは表情を崩さない。
「ええ、もちろん」
へら、と笑ったシモベの顔は爽やかに見える作り笑顔だった。だが、彼女はそれに気がつかない。
「私、貴方のために何でもかんでもする、全て捧げちゃうわ」
「ありがとうございます」
「だって、貴方は愛しい人形、ドールなんだから!」
彼女はとても幸せそうでシモベも幸せそうに見えた。
――ロイヤルドールはどちらなのか。

2010/04/04

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