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悪戯書き集
森の中の話D
とりあえず落ち着く事にした。
「何がいい?」
「コーヒー。ブラックで」
「大人だなー」
そう言いつつあっきー慣れた手つきでコーヒーを二つ分作る。
「ありがと」
少し落ち着いた所で再び湧いた疑問を口に出す。
「で、そのオレの中二臭い能力とあっきーの姿にどう関係があるんだ?」
「俺含め半分位の妖怪がそうなんだが、人間に擬態が出来るんだ。それを今現在見破ってる」
え、実はオレの能力凄いんじゃね?とか思った。そんな事自分で言うのもなんなんで言わなかったけど。
まあこんな感じで質問したりだべってたりした。
「って、もう五時半じゃん」
「そろそろ帰らないとまずいな。送ってく」
あっきーは窮屈そうに椅子から立ち上がる。鬼の姿にももう慣れた。
「あー、最後に質問していい?」
「何だ?」
「そもそもあっきーは何で教師してるんだ?」
そう聞くとあっきーは一瞬の沈黙の後、へらりと笑う。
「人間が好きだから」
オレは何も言えなかった。生まれた時から人間のオレに妖怪の気持ちなんて分かんないからな。
「じゃ、帰ろうか」
あっきーはにかっと笑った。
「おう」
その日から釣木学園の制服を着た天狗や雪女とか変な奴らを見るようになった。

2009/05/05

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あきゅろす。
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