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悪戯書き集
インタビューの話A
「こんにちはっ☆」
「……こんにちは」
メッチャ明るい日陰とは対照的に零一はメッチャ暗かった。
なぜなら、今日は密着取材の日でここが零一の部屋で日陰が天井裏から顔を覗かせているからだ。ちなみに零一は今起きたばかり。
「…何してんの」
分かっているが、念の為聞く。
「何言ってるの、今日から密着取材の日じゃないかっ!『生物部に密着、謎に包まれる活動に迫る!ただし零一のみ』みたいな感じで」
「何言ってんのって言いたいはこっちの方なんだけど!?」
とりあえず、零一は布団から出て、日陰は天井裏から降ろそうとする。
「人の部屋に勝手に上がり込んできて、引きずり降ろそうなんて何て強引なのっ!?」
「ここは俺の部屋ー!!」
「全ての天井裏は私、飛鉈日陰のものなんだよっ!」
「その家の人のものだろ!」
「その証拠にほら!ベットにテーブルにテレビまで置いてあるのだ!」
「日陰の部屋化してるー!?」
「その代わり、君の部屋を綺麗にしてあげたよっ!」
「だから部屋が妙に綺麗だったのか!?ってか、不法侵入だろ!」
ぱっと日陰は部屋に降りてくる。
「ほうほう、零一くんの寝間着は白いTシャツに灰色のジャージか。実に面白い」
「誰の物まねだよ!?」
日陰はほうほう、と謎の人物(おそらくガリレオの湯川学)の物真似をしながらピロリ〜ンと携帯で写真を撮る。
「勝手に人の寝間着を写メるな!」
「意外にマトモな格好で良かったけど、『右へならえ!ならわなければ即死!』っていうプリントは頂けないねっ!」
「勝手に俺のTシャツの捏造をするな!」
はあ、と零一は溜め息をつく。たまにはボケたい。
「って、もうこんな時間じゃん」
「大変っ!生物部が遅刻なんてっ!」
「生物部と遅刻に何か関係があるのか!?」
零一は部屋を出ようとして、立ち止まる。
「あ、そうだ。日陰、朝飯食ったか?」
「んん?まだだけどっ?」
「じゃあ食ってっていいよ」
そう言って零一は部屋を出る。

2009/03/04

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あきゅろす。
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