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悪戯書き集
インタビューの話@
「今日さ、何かがあるんだよねぇ」
友恵が部活の初めにそんな事を言った。
「その何かを忘れちゃったんだけど」
「ふーん。まああったらあったでいいし、無かったら無かったで良くない?」
面倒だし、と呟きつつ早速お菓子を食べ始める華。
「うにゃー、それもそうだね」
いっか、と友恵も華に釣られてお菓子を食べ始めた。
その何かが来たのは部活もそろそろ終わろうかという頃だった。
「やっほー☆元気してるかいっ?」
そう言って現れた日陰は天井から降りてきた。
「日陰ちゃんどこから来てるの…」
呆れながら友恵はそう言う。
「天井裏って意外にスペースあるのだ。抜け道として使えるよん♪」
「「「……へ、へー」」」
そんな事を言われても使うのは日陰と赤空葉菊だけだ、とは突っ込めない。赤空葉菊と同列に置くのは可哀想だし、日陰を敵にまわしたら怖い。
「それで今日の用件は?」
「あ、うん。今週の新聞の特集は生物部の紹介なのさっ!だからインタビュー&一日生物部体験をしに来たのだっ!」
華と零一は顔を見合わせた。そんなの聞いてない、と二人は友恵を見てテレパシーを送る。
「雨顧問が言ってた気もしなくもない、かな?」
友恵はすっかり忘れていたらしい。
「いーちゃんが忘れてた何かってこの事か」
「ダメかいっ?」
「別にいいけど。でもさ、『生物部は一日にしてならず』だよ?」
華は意味不明な格言を言い始める。
「なら、新聞発行ギリギリまで密着取材してもいいねっ?」
「零一になら許可する。生物部には『面倒事は零一に押し付けろ』って格言があるからな」
華は指で零一を指差す。今日の華は何処か壊れている。
「了解なのだっ!」
びしっと敬礼する日陰に諦めたように零一は椅子に寄りかかる。
日陰の生物部の生物観察が始まった。

2009/03/03

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あきゅろす。
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