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悪戯書き集
クラゲの話@
零一は500mlビーカーを見てにやついている。ビーカーには海水が入っていてその中にはガラス板がいくつか立てられ、そこに白いゴミのような塊が点々と張り付いている。
「うふふふふ……」
「うわー、とうとう奇妙な笑いまでし始めたんですけど」
華と友恵は変態のような零一に巻き込まれたくないため、藤夏の方へ避難していた。
「つーか、アレ何だよ。ゴミに見えるけど」
「ミズクラゲ」
藤夏は生物の教科書から目をはなさず言った。
「「クラゲ?」」
「零一の研究はミズクラゲの観察だと雨顧問が言っていた」
「クラゲってあの海にいるフニャフニャしたクラゲ?」
「そう」
華と友恵が口を揃えて言うと、藤夏は読んでいた教科書を二人に見せる。
「クラゲのサイクル表か」
「零一のはポリプ」
「あんなゴミが…」
「うにゃー、流石にあれに愛情は持てないよ〜」
「だよなぁ…」
三人が零一を見るのと、零一が勢いよく立ち上がったのはほぼ同時だった。
「よし決めた!このクラゲの名前は水斬澪果ちゃんだ!」

2008/12/13

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