[携帯モード] [URL送信]

悪戯書き集
ノーベル賞の話A
「零一の為にも私の為にももう一つの物理の方のノーベル賞の事も聞きたいなぁ〜」
魂の抜けた零一を無視して友恵は雨顧問にそう言った。
「うーん、私は生物教師だから物理の事はあんまりわかんないの、ごめんねー」
「なら、物理の先生呼べばいいじゃん。華僑センセー呼べば?」
華の提案に雨顧問は手を合わせて目を輝かせた。
「そうね、名案!早速熊ちゃん呼んでくる!」
「華僑先生の事熊ちゃんって呼んでんだね…」
走り去っていった雨顧問を見ながら友恵はそう呟く。
すぐに雨顧問はしょんぼりと戻ってきた。
「熊ちゃん、『あ?もやしもん関係じゃねーのかよ?なら行かねー。俺はもやしもんのDVD見てーんだよ』って……。解説はしてくれたけど…」
華は雨顧問の頭をよしよし泣くなーと言いながら撫でる。雨顧問はぐずりながら解説を始めた。
「物理のノーベル賞は、素粒子っていうのなの。何か原子?だっけ、塊あるでしょ」
「よくわからないけど原子じゃない事は確かだよ」
「その中には中性子と…陽子?、プラスの何かがあるのよ」
「随分曖昧だな」
「プラスって反発しあうでしょ?なのに何故近くに留まってられるのかをノーベルさんは調べたのよ」
「ノーベル賞を取った人であってノーベルさんでは決してないだろ。ノーベルさんだったら大事件だぞ」
「それを繋ぎ止めてる何かを発見したんだって。名前忘れたけど」
「その何かを忘れるなよ」
「あとそれの種類が六種類あるって事も」
「ふぅん。全然分かんない」
「ひ、酷いよーー!!」
雨顧問は逃げ出した。

2008/10/12

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!