修練場
春は芽吹きの季節。(独)
高校の先輩である本田先輩に誘われやってきた剣道場。
「どうですなまえさん。マネージャーやりませんか?」
正直私はマネージャーなんて柄ではない。ましてや剣道なんて…
どんどんっ
けたたましい太鼓の音とともに激しくぶつかり合う選手達。
怖いなぁ…
やっぱりお断りしなきゃだよな…
うーん…
「なまえさん!あぶない!」
本田先輩の声にふと我に返ると私のほうに倒れ込んでくる男の人…
「っ…!?」
…ぶつかるっ!
………
……
…
あれ?
「怪我はないか?」
私は逞しい男の人に抱えられていて、ぶつかりそうになった男の人はそのまま床に倒れていた。
「…あ、大丈夫です…」
「…そうか、良かった。」
そうして彼は練習に戻っていった。
「先輩、今のは…?」
「あぁ、ルートヴィッヒ君ですね。彼は経済学部のドイツ人留学生なのですが、剣道の習得、上達には目覚ましいものがありますよ。」
練習やめ!
面をとった彼は、金髪碧眼、白い頬は赤く上気し、汗が幾筋か流れていた。
「怪我はないか?」
先程の情景が蘇る。
「…先輩、私マネージャーやります。」
新しい恋の予感。
桜舞い散るある春の日。
私の住んでるところはまだ桜咲かないよ(笑)
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