修練場
乙女心はなんとやら。(西)
「へ〜そうなん!」
アントーニョはもうずっと楽しそうに電話している。相手はベルギーちゃん…いつまで話してるんだろ…嫌だなぁ、ってもアントーニョは私のものじゃないし。ふーんだ!
「ロビィ〜…」
ちょっと涙目でロビィに甘えてみる。
「…ちょ、なんだよこのやろって、あぁ…な。」
最初は怪訝そうな眼でこっちを見ていたロビィだけど、さすがイタリア、すぐに私の気持ちを察してくれたみたい。
慰めるように頭をポンポンってしてくれる。アントーニョが電話切らなきゃロビィになびくぞコノヤロー…
「…おう、じゃあまたな〜」
やっと終わったな!ふーんだ!調子に乗ってロビィの首に腕を回してみる。
「なまえ、これはアントーニョの野郎も怒るんじゃ…」
「いいよ、もう!」
「…素直になれよ…」
「ロビィに言われたくない!…っ!」
いつの間にか後ろからアントーニョが近寄ってきていて、私の肩をつかんだ。
「ほら、なにいちゃいちゃしとるん?ロビィもなまえに手ぇ出すなやぁ〜」
「私が先に甘えたんだもん!」
アントーニョはにこにこしてたけど、肩をつかむ力はますます強くなる。
「なにやっとんなまえ〜」
耳元で一言。
「なまえは俺のやろ?」
ばかばかばかばか…
なんでそんなこと簡単に言うの?さっきのさっきまでベルギーちゃんと電話してたくせに。
「所有物から目を離すくせに…」
「すまんなぁ〜電話夢中になってしもうて〜」
…最悪。なにこの人?
「親分肩痛いから離して!あんまりベタベタ触らないでっ…」
「嫌や!」
「おい、アントーニョ。なまえはお前が自分をほっといて他の女の子と楽しそうに電話してたのが嫌だったみたいだぞ。」
アントーニョはびっくりした風に、
「え〜言ってくれな分からんよ〜」
…この鈍感男が。もうやだ!この上なく凶悪な目で睨んでやる!
「アントーニョなんて、大っきらい!っ!?」
気づけばロビィから離されアントーニョに腕の中で。
「なんやなまえ、妬いてくれたん?親分うれしいわ〜」
「だって…!?」
ちゅ。
その口づけが優しくって、アントーニョ格好良かったし…もう!こうやってすっかりアントーニョのペースだし…
「ごめんなぁ、なまえ。心配させてもうて。」
でも、次ロビィに甘えたらお仕置きやからな!
私だけに聞こえたその一言が、ちょっと怖かった…
翌日、ユーロで調子良いアントーニョがみんなで話せるようにってテレビ電話を買ってきて、私の機嫌はすっかり良くなってしまったのである。やっぱアントーニョ大好き。
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