特別科生徒の憂鬱 06 瑛太「あ、明里(アカリ)!」 明里(アカリ)「…」 知る人間の声に、右手に焼きそばを持ち、左手にかき氷を持った明里(アカリ)は渋々振り返った。 にっこり笑う瑛太は、両脇に20人弱ほどの水着美女を連れていた。 身長が高いため、その光景はとても高校生には見えない。 瑛太「随分満喫してるみたいだね」 明里(アカリ)「こっちの台詞だっつーの」 瑛太「あぁ。この人たち?逆ナンされたから一緒に遊んでるんだ」 「ねー、瑛太。この人知り合い?」 取り巻きの一人が明里(アカリ)を横目で見て言った。 瑛太「うん。クラスメート」 明里(アカリ)「はいはい。お前がモテるのはわかったからオレの目の前から消えれ」 瑛太「あれ?」 瑛太は明里(アカリ)に近づき、顔を覗きこんだ。 瑛太「もしかして…嫉妬してくれてる?」 その台詞に、明里(アカリ)の中で何かがキレる音がした。 明里(アカリ)「誰がだぁ!!!」 明里(アカリ)の放った回し蹴りを、瑛太はパシッと掴む。 瑛太「明里(アカリ)の脚って、長くて綺麗だよね」 明里(アカリ)「離せ変態!」 瑛太「あぁ。ごめんごめん」 明里(アカリ)はぶすっとふくれて、瑛太に舌を出した。 瑛太「あ、ブルーハワイ?」 明里(アカリ)「なっ!なんでわかるんだよっ!」 クスクス笑う瑛太に背を向けて、明里(アカリ)は海の家に向かった。 明里(アカリ)「おばちゃんメロンっ!」 [*前へ] |