[携帯モード] [URL送信]

美食日記
01


「あちゃー」


携帯ぶっ壊れた。


「明日は湾ちゃんとの約束なんだけど…まあいっか」


困らないよね。















私は駅のデパート前で湾ちゃんを待っていた。

約束の10時まであと五分。


「うぅ…」


私はデパートの前に出ているたこ焼きに目を奪われている。


「あと五分…」


ま、待っ…。


「待てない!」

「待てある」


走り出した私の首根っこを掴んだのは、もちろん湾ちゃんではなかった。


「あれ。耀さん!」

「お前は黙って立ってることもできないあるか」

「湾ちゃんは…」


後ろを見ても、いない。


「湾は楽しみにし過ぎて熱出して倒れたある」

「あらー」


可愛いなー湾ちゃん。


「携帯かけても全然繋がらねーあるから、わざわざ来てやったある」

「あー。携帯ぶっ壊れちゃって。わざわざすみません」


さて、じゃあ仕方ない。湾ちゃんのお見舞いでも。


「湾に今日一日お前に付き合えと言われてきたある」

「え?」


耀さんは面倒臭そうに言った。


「どうせ食べ歩きするつもりだったあるな?」

「はい」


よくお分かりで。


「しゃあねーから我がついてってやるある」


湾ちゃんが気を使ってくれたのかー。

よし!じゃあ今日一日遊んで、終わったら湾ちゃんのお見舞いに行こう!


「じゃあ、耀さん!行きますよ!」

「…手柔らかに頼むある」

「まずはたこ焼きー!!」






[次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!