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美食日記
04


「こんにちはー」


店の扉を開けると、湾さんがにっこり笑って迎えてくれた。


「いらっしゃいませ。……あら?名前さんこの方は?」

「友達のアルです。アル、この人はヨンス君のお姉さんの湾さん」

「アルフレッドだ!よろしく!」

「よろしくお願いします」


湾さんに促され、いつも座ってる席に座る。

アルは私の向かいに座った。いつも耀さんが座る席だ。


「名前、よく来たあるな……って」


皿を持った耀さんが目を丸くした。


「あ!耀さん!」

「誰だい?」

「紹介は後後!早く食べたいから!」

「仕方ねぇあるな…」


耀さんが並べた料理に、私とアルが飛び付く。


「んまぁあああああ!!!」

「何だいこれ!辛いんだぞ!」

「馬鹿!そこが美味しいんでしょうが!」

「落ち着けある」


その後アルは辛い辛いと言いながらもたくさん注文して、耀さんもホクホク顔だった。


「ふぅ。食った食った!」

「美味かったんだぞ!」

「あいやー。これは上客連れて来てくれたあるな!お前初めていい働きしたある!」

「でしょう!?舌も肥えてないし、よく食べるし、おまけに家はお金持ち!」


アルが丸くなったお腹を擦りながら、HAHAHA!と笑っていた。


「ところで、君は名前とどういう関係なんだい?」

「………どういう関係あるか?」

「え、私に振ります?えっと、お友達?の、王耀さんです」

「ここの店長ある。贔屓にするよろし」

「で、この丸いのが私の友達の、アルフレッド」

「ここの料理気に入ったんだぞ!また食べに来させてもらうぞ!」


アルも気に入ったみたいでよかった。


「そうだ!食後のおやつに、フランシスが持たせてくれたお菓子を食べようじゃないか!」

「あっ!いいね!辛い物の後には甘いものが食べたくなるし!」


アルがゴソゴソとフランシスのお菓子を出す。


「ん〜!!上品な甘さっ!」

「うん!やっぱり甘いものは美味いな!」


私とアルが舌鼓を打っていると、耀さんがプルプル震えて、声を絞り出した。


「…納得いかねぇある」

「ん?どうかしたのかい?」

「納得いかねぇある!そんな西洋菓子より我の料理の方が美味ぇに決まってるあるよ!」


耀さんは瞳の中に炎を燃やして、厨房に向かうと凄いスピードで料理を持ってきた。


「好きなだけ食うよろし」

「ま、まじですか!?」

「ドゥルッフー!!」


耀さんが納得のいくまで、中華料理が出てきた。

勿論、代金はアル持ちだが。





















「辛いのも、勿論好きですよ!」

「何の話だい?」






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