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3 物の貸し借り (済)
 





爽やかな朝のこと。ユキが洗濯物を干し終えてリビングへと戻ると、ハレとライの声がする。何やら揉めているようだ。ユキは、またあの2人かとため息をついた。


「ちょっと2人とも、何をそんなに揉めているんですか?」

「ユキ!聞いてくれよ!ハレが俺の服勝手に着てるんだ!」

「ちょ、ライ!ユキぃ、違うんだよ!これには深い理由が…」

「理由って何だよ!どんな理由があったら人の服を勝手に着て良いんだよこの変態!」

「何勘違いしてんだよ気持ち悪い!誤解だバカ!」

「はいはい、とりあえず少し黙ってくださいね。」


ユキは2人のレベルの低い口喧嘩にうんざりしていた。ユキにたしなめられた2人は、顔を見合わせて閉口した。


「まずはハレの言い訳を聞きましょうか。」

「い、言い訳じゃねぇよ!ちゃんとした理由だって!」

「どっちでも良いから早く言えよ!」


ハレは腑に落ちない様子でユキとライを見据えて話し始めた。


「俺の服、赤いのばっかりだろ?だから一歩外に出たらさ…いつノームが来るかって、怖くて怖くてまともに歩けないんだよ!」


ハレは至って真剣だった。その証拠に目が潤んでいる。どうやら本当に怖いらしい。確かにノームに追いかけられたら堪ったものではないとユキも思った。
しかしライはそうは思っていないようだった。


「ああ…それは仕方がありませんねぇ…「仕方なくねぇよ!そんなのジャケット脱いでTシャツチノパンの激ダサスタイルで外出りゃいいだろ!?」


ライは理由を聞いて尚ご立腹だった。どんな理由にせよ、勝手に着られたことが許せないのだ。


「ライ、少しくらい貸してあげたって良いじゃないですか。」

「嫌だ!これ以上キャラがかぶったら俺もハレもやばいだろ!?まとめて消えちゃうかもしれないじゃねぇか!」

「消えねぇよ!俺はリーダーだぞ!」

「俺だけ消えるって言いたいのか!?なおのこと悪いわ!」

「はいはい、2人とも喧嘩しないの!ハレも、今度からは了解を取ってからにしなさい。断られたら、もう僕の服貸しますから。」

「へっ?ユキの服?」


ハレは知っている限りのユキの私服を思い出した。シンプルで機能的だけどセンスの良いユキの私服。でもそれは、ユキのルックスとそこそこの身長があってこそ様になるのだ。
でも少し着てみたいかも…なんて考えていると、不意に扉が開いて青い人が部屋に入ってきた。


「げ、アメ。」

「ユキー!ずるいよハレ君にだけずるいよー!僕もユキの服着たい!っていうか欲しい!」

「あげませんし貸しません。大体アメ、僕の服をどうするつもりですか?」

「そんなの決まってるじゃない!ユキが家事で忙しくて僕に構ってくれないときに抱き締めてぐっはぁっ!」

「死ね、変態。」


ハレとライは、2人のやり取りを見て思う。いくら付き合いが長いとはいえ特殊すぎると。そしてアメを相手にするユキはどれだけ大変なんだろうと。

そして、アメに狙われて不埒なことに使われることを思えば、ハレに貸すくらいは良いかなあと密かに思い始めたライだった。






end.






三人称小説って一体…。
駄文すぎて泣けてきますね。
とりあえず仲の良いハウウェザーを書きたかったんです。
そしてクモリを出せなくてすみません。








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あきゅろす。
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