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どうかこのままで(御克)
 



※きちめがで御克です
※暗いです
※前のと似たような雰囲気です








君はどうして私に何もしないのか。君を傷つけている私が言うのも可笑しな話だが、私には理解できない。

言葉で、体で君を支配する。それでも足りなくてまた傷つける。
それをどうして、君は許してしまうのか。

手に入れる方法も強引だった。しかし、手に入れてからは余計に自分を抑えきれなくなっていた。どうしたら君を縛り付けられるのだろうと、そればかり。


(たとえば私が君だったら)


克哉は私のベッドで気を失うように眠っている。涙の跡が痛々しく、しかし私はその姿にひどく満たされる。

眠った顔も、笑顔も、泣き顔すらも、すべて私のものにしたい。他の奴になんて見せたくない。


(たとえば私が君だったら、きっと唇に毒を塗って、やたらと執着してくるこの男を殺している)


どうして克哉は私から逃げないのだろうか。理不尽だとは思わないのだろうか。これが薄汚い執着だとして、彼が私を拒まない理由が見つからない。


(いっそ、拒んでくれたら良い。拒んでくれさえすれば、私のこの行為を正当化できるのに。)


逃げるから縛り付ける。それは真っ当ではないにせよ立派な理由だ。
しかし、克哉は逃げない。私の側からは絶対に。そんなことは知っている。それなのに、怖くなって何度も傷つけて縛り付けてしまう。子どものような理由。私はそんな自分が嫌になる。
そんな私を、克哉は受け止める。ただ必死になって、受け入れようとする。

これでは、自惚れてしまう。


(克哉、どうか)


私はベッドに座って克哉の髪を撫でた。小さく息を漏らして身を捩った克哉に気を良くして、瞼や頬にも指を滑らせていく。


「御堂、さん…?」

「…すまない。起こしてしまったようだな。」

「御堂さん…こっち、きて」

「克哉…?」

「いっしょに、寝ましょう?」


ベッドの中に引き込まれる。克哉の体温が隠っている。暖かくて、ひどく安心する。

腕の中の克哉は幸せそうに笑っている。私はその表情に救われると同時に、息が苦しくなるのだ。


「おやすみ、克哉。」


彼にこんな表情をさせられるのが私だけだったら。だったら、どれだけ良いだろう。君の幸せを私が増やしてやれているなら、どれだけ良いだろう。
その確信がないから、私はまた彼に執着してしまう。


(どうかこのまま、私の腕の中にいてくれないか)


きっと私は変われやしない。ずっと君に執着しながら生きていくのだろう。

私は克哉を抱き締める手に一層力を込めて、眠りについた。夢の中でさえ、離れていたくない。克哉もそんな風に思っていることを願って。







end.







うちの御堂さんはヤンデレ一歩手前です。執着とか嫉妬とかがよく似合います。

よって、うちの御克は暗いです。そしてお話が似たり寄ったりです。すみません。

いつか全力でギャグとか書きたいですが、難しいですね。


ちなみに元ネタはTwitterの某お題メーカーで出た「(たとえば僕がきみだったら)」です。












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あきゅろす。
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