sub 言葉よりも確かに(万高)※R15 ※銀魂で万斉×高杉 ※キャラ探り探り 『高杉、』 『っ…ん、ぁあ…!』 『ごめん、ごめんな…高杉…』 血生臭い戦場ではよくあることだった。女に飢えた男の性欲が戦場の昂りに煽られて、身近な男にそれを暴発させるなんて、仕方のないことだ。 仕方のないこと。俺だって割り切っていたつもりだった。それでも、度々思い出す。 「ん…ぅ、ん…」 「晋助、」 「ぅ、あ…っ」 「晋助!」 「…っ、万斉…」 夢を見た。随分と昔の夢だ。あの戦場の記憶は、今でも俺を縛り付けている。 人間なんて脆いものだ。もう忘れたと頭では思っていても、体が思い出せば、その時の記憶は蘇る。どれだけ割り切ったと思っていても、味わってしまった嫌悪感は拭えない。 「悪い夢でも見たでござるか?」 「まぁ、な。でも、大したことねぇよ」 「…大したことない顔してないでござるよ」 そっと万斉が俺の頬に触れる。 何を考えてるかわからないと思うが、やっぱりこいつは人の感情に聡い。いや、俺の変化に、と言った方が良いだろうか。 「晋助」 俺をぎゅうと包み込む万斉の腕は温かかった。夢の内容も聞かず、陳腐な慰めの言葉も言わず、ただこうして抱き締めてくれる。それだけのことなのに、俺の心は落ち着いていく。 「きっと、晋助には拙者が足りてなかったんでござるなぁ」 「はぁ?何馬鹿なこと言ってんだよ」 「照れなくても良いんでござるよ、晋助」 いつものように軽口を叩く。 それが、今の俺にはありがたかった。あまり深く考えたくない。できればこのまま、日常に薄れていけば良いとさえ思う。 「じゃあ、一晩中こうしてろ」 万斉の背中にぎゅうっと抱き着く。更に近づいた距離。目を瞑ってしまえば、今までの出来事がすべて消えてしまうような錯覚に陥る。 「無論、最初からそのつもりでござる」 物好きな奴。でも、そんな馬鹿な男を愛しいと思う俺も大概だ。 end. キャラ迷子。 ★ [*前へ][次へ#] [戻る] |