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日常の中のメリークリスマス。






ドライブデートをしようか。
全然格好良くない、いつもの車で。

イルミネーションを二人で見に行こうか。
それとも、夜景の見えるレストラン?
ねぇ、ユキはどこに行きたい?

ユキを助手席に乗せると、なんだか運転するのも楽しいんだよ。
他愛もない会話をしてみたり、
信号待ち、ユキの横顔を盗み見たり。
渋滞だって、ユキとの二人の時間が増えると思うと嬉しい。

BGMは何にしようか。
学生時代、二人でイヤホンを半分こして聞いたあの曲が良いかな。
それとも、まるで僕たちのためのようなあの曲が良いかな。

寒いから手袋やマフラー、忘れないようにね。
いくらユキが寒さに強くても、あんまり薄着したら風邪引いちゃうよ。
まあ、風邪を引いたら僕がずっと看病してあげるけど。

プレゼントは何が良いかな?
ユキは実用的なものが良いって言うかもしれないけれど、
今日は特別な日なんだから、特別なものを贈りたいな。
例えば、幼稚園のときに渡せなかった指輪、なんてね。

それから…



「アメ、何をボーっとしているんですか?」
「ん?明日のこと考えてた」
「明日?」
「クリスマスでしょ?」
「ああ、そういえば…」
「ねえ、どこに行きたい?」
「え?」
「ドライブデート、しない?」


飛び切りの笑顔でお誘い。
ユキは少し戸惑った後、にっこり笑って言った。


「クリスマスは、皆で過ごしませんか?」
「…は?」
「だって、せっかくのクリスマスですし…僕もご馳走作らなきゃ」
「ああ…うん、そうだよね、ユキはそういうタイプだったね…」
「で、その後…は、その…アメの部屋に行っても、良いですか?」


頬を赤く染めてそう言うユキが、可愛くて。
ああ、何も奇をてらわなくったっていいんじゃないか。


「も、もちろんだよ!」


少し裏返った声は期待に胸が躍っている証。
こんなにもクリスマスが素敵なものだったなんて。

僕は冷たいユキの手を引き寄せて、ぎゅっと抱きしめた。
なんだか冬を抱きしめたような気がした。








end.









いつの間にかメリークリスマスですね…。










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