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にぶいのはどっち?(ライハレ)
梅雨なのに太陽が眩しい。どういうわけか、ハレは究極に絶好調らしい。俺はそんなハレを見てイライラが収まらない。地味なくせにしゃしゃり出て、とか、そんな意地悪な理由ではない。俺はハレが絶好調になった理由が気に入らないのだ。
「よーし今日も良いお天気にするぞー!梅雨なんかぶっ飛ばせ!」
「おいハレ」
「あ?なんだよ」
「お前なんで梅雨なのにこんなに頑張ってんの?」
「そんなの決まってるだろ!ユキがいっぱい褒めてくれるからだよ!!」
悪びれることなくそう言った。そりゃ悪いと思ってないからそんな態度なんだろうけど、やっぱり引っかかるじゃないか。
「ユキに褒められたからってそんながんばんのかよ」
「そりゃ誰だって褒められたら嬉しいだろ!」
「そうだけど…」
お前がそんな頑張ってたら二人でいられる時間が減るだろ、馬鹿。とは、言えない。恥ずかしすぎる。
でも、俺だってそろそろゲリラ豪雨とか言って暴れまわる時期だし、二人きりになれんのは今くらいなもんだろ!俺に散々鈍いとか言いながらお前も相当鈍いんだよ!!
「ハレ」
「なんだよ」
「俺のことそんなに好きじゃねぇだろ」
「は?いきなり何言ってんだよ」
「…もういい」
だめだ。これ以上話してたら女々しくなるだけだ。
俺は部屋へ戻ろうと席を立った。
「待てよ!何拗ねてんだ!」
「ハレが俺よりおこちゃまだから呆れただけですぅ」
「なんだよそれ!大人げねぇな!」
「うっせぇ」
どうせハレに何を言っても無駄だ。
拗ねてると思われようがもうどうでも良い。
「ライ!」
「何、」
「お前もしかして嫉妬してんの?」
「は!?」
「俺がユキにばっかり懐いてるから、だろ?馬鹿だなー!俺がすきなのはライだけなのに!!」
「ば、ちげぇよ!」
「照れるなって!」
半分正解だけど、そんなににやにやして言われたら腹立つ!!そんで根本は解決してねえし!
意思の疎通ってこんなに難しかったっけ!?
「仕方ないから今日は休んでやるよ」
「へ!?」
「なんか最近ライと二人でいることも少なかったしさ」
「あ…」
「全部わかってるよ。寂しかったんだろ?」
ハレは太陽みたいに笑って、言った。言いたいことはたくさんあった。文句だって言いたかった。だけどそんな笑顔を見せられたら、何もいえなくなってしまった。
「ライかわいいなー」
「うるせー!今夜覚えてろよ!!」
「え、」
「寂しかった分、責任とってもらうから」
今度は俺がにやりと笑って言ってやった。
ハレの真っ赤な顔を見て、少し俺の心も晴れた気がした。
end.
空梅雨ですね。
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