ss
虜
「愛してる」
「なんつー恥ずかしいこ
とを」
普通に言えてしまうこの
人はすごい。
「だってよ、言葉にしな
きゃわかんねーだろ」
そんなの、こうすれば簡
単に伝わるのになぁと思
いながら元希さんの腕の
中に入り込んだ。
「どきどきいってる」
こんなにも人が生きてい
ることに感謝したことは
ない。元希さんがいない
世界なんて考えられない
な、と想像するだけで不
安になるのでとりあえず
もっと抱きついた。
「俺、隆也がいなきゃ生
きてけね」
本当、これはもう離れら
れない。
END
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