超寝正月 「…………ふわぁ〜あ。あー、朝かぁ……」 「ん、んん〜〜〜!! あ〜、良く寝た〜」 「紅白見終わって、そのまま寝たからなぁ……。たっぷり寝たなぁ……」 「あ〜、なんか身体バキバキだわ。ホント良く寝た……」 「ふう……。あっ、あけましておめでとうってヤツだな。新年だ〜!」 「もう朝日の眩しいこと眩しいこと……。初日の出じゃないけれども」 「さーて、メールチェッ……あれ? 充電器外れてんじゃん。スマホ充電できてねぇ……。電池も切れてらぁ……」 「ま、いいか。充電しておこうっと」 「あー……、滅茶苦茶腹減ったな……。食べ物食べ物……」 「ふあぁ…………。今何時だ……?」 「もう十一時か……。うわ……、十二時間近く寝てたってわけか……。そりゃ寝すぎだろ……。半日寝てたら腹も空くわ……」 「はー……。すきっ腹に冷たい水が沁みる……」 「……朝じゃねえな。昼じゃねえか」 「えっ? もう昼じゃん! うわー! いくら寝正月って言うからって、さすがに半日寝てたのはもったいないな!」 「うわっ、テレビ何やってんだろ。朝の元日特番見たかったんだけどなー」 「…………ん? あれ? 駅伝だ……」 「あれ? 待て待て? 箱根駅伝が流れているんだが……? 今日は正月じゃないのか……?」 「ス、スマホスマホ……。電源電源……」 「点いた点いた……」 「はぁ!? えっ、ちょっと待て!?」 「一月二日じゃん!?」 「えっ!? 一月二日なんだけど!? 今日は一月一日じゃないの!? 待って!?」 「うわっ!? あっ、すっごい連絡入ってる!! めちゃくちゃライン来てる!!」 「あっ! だから電源落ちたんだな! だからどうした!」 「うわうわうわっ!! みんなあけおめラインしてる!! やばいやばい!! 一人一人返してかなくちゃ……!」 「っていうか、マジで!? マジで今日ってもう二日なの!? 二日の昼なの!?」 「十二時間近くじゃないじゃん!! 三十六時間近く寝てたってことじゃん!!?」 「嘘でしょ!? 人間ってそんな長い時間寝られるの!?」 「いや、待て待て待て!! それじゃあ俺の正月は!? 俺の正月は何処行った!?」 「寝正月ってレベルじゃねえぞコレ!!!!!!!!!」 「あぁ!! まだラインが来る!! やっべ!! 一日返信無かったから皆心配してくれてる!!! 返信しなくちゃ!!!」 「ああ!! もう!!!! 追い付かねえ!! 間に合わねえよ!!! 返しても返しても返信が来る!!!!」 「いっそのこともう二十四時間寝てしまいてぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」 2024/01/ prev←→next |