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スタスカ短編
牡羊座誕生日(3年生組)









4月19日






「そういえば今日、一樹の誕生日だったよね」

「あー、確かに。すっかり忘れてた!さすが誉ちゃん」

星月学園を卒業した誉と一樹と桜士郎

そして今日は一樹の20歳の誕生日の日でもあった

普通なら19歳なのだが、一樹と桜士郎は留年している

そのため、星月学園では4年間の長いような短いような生活をし、卒業した

「やっぱり20歳になったってことは、お酒とか飲ませてみたいよねー。くひひ」

「そうだね。ちょっとやってみたいかも。でもお酒はどうやって用意するのかな?」

「そりゃあもちろん俺達で買いに行くの」

「ばれたら捕まるけどね」

「だいじょーぶ、だいじょーぶ。ばれなきゃいいだけの話よー。そんな硬くならないの!」

「・・・・」

困ったような表情を浮かべた誉とは逆に、桜士郎のほうはとても楽しそうだ

こうして、お酒を買いに行くことになった










「なるべく強くないほうがいいよね」

「別にいいんじゃなーい?弱くたって強くたって。あ、これとかどうよ?」

「本当に適当だね」

酒場に行き、適当に選んでいる2人



そう、これが今回失敗だった












一樹を呼び出し、さっそく誕生日会スタート

ケーキやいろいろなものを用意し、一樹を待つ




ピンポーン





チャイムが鳴り、桜士郎がそっと開ける

一樹だった

「よ、一樹。調子はいかが?」

「急になんだよ。お前が呼び出したんだろう」

呆れる一樹。ただ桜士郎はにやにやとしている

「さぁ、どうぞどうぞ」

「お前一体―――――――」




パーーーン




クラッカーの音が鳴り響く。びっくりした一樹はその場から動けなくなった

『誕生日おめでとう!』

同級生2人に言われ、ただ呆然とする一樹

「おやおや〜?さすがの一樹もびっくり?」

「まぁ、仕方ないよね」

「・・・・・さんきゅ」

少し恥ずかしそうな反応をしたが、すぐにいつもの笑顔になりにっこりとする

だがしかし、誕生日の本番はこれからだった











「これお酒か?」

「一樹20歳祝い」

「いや、わかるけど、これはさすがに多すぎじゃ・・・?」

「まぁ、ぱーとやっちゃってよ」

どうやってこんなにお酒を集めたかわからないが、とにかくすごい数

適当に近くにあったお酒を取りアルコールが書いているところを見る

45%。高い。こいつら適当に選んだだろう

他のも見る。とにかく少ないアルコール(それでも30%)の酒を取り、コップに入れてみた

「ささ、ぐぐっと」

にこにこしている誉、口元は笑ってるけど、ゴーグルの先の瞳は何か企んでいそうな桜士郎

ちょっと嫌な予感(特に桜士郎)がしたが、口に含む

口の中に酒の苦味が広がり顔を歪めた。だが少しずつ体が熱くなってくる

頭がボーっとし、自然とそのままどんどん飲んでいる

その様子を見た桜士郎と誉は顔を見合わせた

(あれ、もしかして酔ってる?)

(多分・・・どうしようか?)

(ちょっと様子見ー。ほらぁ〜楽しくなりそうじゃない)

(桜士郎だけだよ)

そんな少しな会話だけでも、飲む勢いは止まらない

顔がほんのり赤くなっている元生徒会長様は、別のお酒を手に取った

この中で一番アルコール高いのを

「え?一樹それ飲むの?」

「だぁ〜って、にゃんか飲みたくてぇ」

「ねぇ、そろそろ止めたほうがいいんじゃ・・・」

「いいのー!飲むのー!たっくさん!誉も飲んじゃえー!」

「ちょ、一樹!?」

無理矢理口の中にお酒を入れられた誉

抵抗する余裕も無くそのまま一気に飲まされた

呆然とする桜士郎。愕然とする誉

お酒を飲まされた誉は、頭がボーっとしてくるのがわかった

「あーあー、これじゃあ誉ちゃんも酔っちゃうね・・・」

ボソッと呟く桜士郎。彼は予想外の展開に何も言えなくなった

まさかこんなに乱れるとは思っていなかった。確かにわざと高いのを選んだけど、そこまでは予想しなかった

「今日は飲むぞぉー」

「ほどほどにね・・・・って誉ちゃんも飲んじゃってるし」

いつのまにか誉も何かに手をつけていたらしく、まったく開けてない酒ビンが開いている

誉がそれを飲んでいるらしく、コップにはお酒の色した飲み物

もう止める自信があまりなく、桜士郎はただ見守ることにした
















「うー、頭痛い」

「ほい、水」

次の朝、頭痛にうなされている2人に水を渡している桜士郎

あれから結構飲んで、桜士郎も飲まされそうになったが、逃げたという

桜士郎を睨みつける誉。それにたいして桜士郎はにやりと笑った

「誉ちゃん、どうしたのかなー?」

「桜士郎・・・・止めなかったでしょ?」

「ありゃ、ばれた?くひひ、だって面白そうだったんだもん」

「・・・・」

「まーまー、そんな目で見ないでよ」

「うっ」

それまでずっと黙っていた一樹が、顔を真っ青にしてトイレに駆け込んでしまった












ちょっと騒がしい誕生日会


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