スタスカ短編
僕らも勝手に行動しましたA(冬組)
―イギリス―
「本当に来ちゃったんだなぁ・・・・」
まったく知らない土地に、三人は驚きを隠せない
日本とはまったく造りが違う建物。周りの人たち
この中に一樹がいたら簡単に見つけることができるかもしれない。まぁ、この近くにいればの話だが
だけどここだって日本よりではないが、人が丸一日ですべて回っていける面積ではない。それは当たり前
ついでに今回は「券」できたのだからもちろん「観光」である
簡単に言えば観光客達と一緒に来ているのだから「ガイド」だっている
よって自由に行動するのはまだ先。それも決められた範囲に
これで一樹を見つけたらすごい。でもせっかくなのだからこちらも楽しまないとだ
「えー、あれが『ウィンザー城』でございます。十一世紀にウィリアム一世が・・・・・」
「ぬははは!お城だってー!おっきいなー!」
「本当だね!迷子になりそうだなぁ・・・」
「ふふ、お二人とも楽しそうですね」
はしゃぐのも無理はない。知らない土地というのもあるが、生徒会メンバーで旅行するのも初めてだからというのも一つの理由
そんなことをしていると自分達がここに来た理由を忘れてしまうのだが・・・
まぁ、その時にはもう忘れてたけど
とにかく彼ら三人は楽しい一日を過ごした
―次の朝―
朝、月子の携帯に一通のメールがきていた
(誰だろう・・・・)
タイトル:お前ら本当に来てるのか?
名前のところには「会長」と書かれていた
そういえば私達会長探しに来たんだ!
月子はメールを開く。読み続け、一番最後にはこう書いてあった
【お前らどこいるんだー?なんなら俺が迎えにいってもいいぞ!どうせ自由に行動できないんだろう?】
月子はうれしくなり、読み終わるとすぐにメールを送る
自分達がいる場所・次行くところなどを書き送信
少し経って返事が返ってくる
【そこかぁ・・・。昼飯ぐらいにはそっち着くから、お前らが行く店で待ってるよ。あ、颯斗と翼には言うなよ?びっくりさせたいから】
【わかりました】と返事だけ書き、今まで自分が寝ていたベッドに寝っ転がった
お昼が楽しみだなぁ・・・・
昼にはあっという間になった
『えー、もうお昼ということで自由になります』
「早くあのお店行こう!なんかとっても美味そうなものあったぞー!ぬははは!」
「翼君、張り切ってますね」
二人が知らずにわいわい騒いでる。月子は楽しみで仕方なかった
中に入る。辺りを見回しても一樹の姿は見当たらない
まだ着てないのかな・・・・?
席に座る。翼はメニュー一覧を見て「ぬー、英語びっしりだぞ・・・・」と言いつつ決めようとしている
月子は窓側のほうを見ていた。そしたらそこに座っていた帽子を被った男の人が席を立つ
普段は気にしないのだが、その男の人がこちらに近づいてくる
え?何?
こちらのほうに来て席の前でピタッと止まる
颯斗が不思議そうにその男の人を見た
「あの、何でしょうか?」
日本語で行っても伝わらないと思ったが、その覚悟で言った
顔がよく見えない。その男の人が口を開く
「お前ら、まだわかんないのかよ・・・・」
日本語。そうして聞いたことある声。一番早く彼の名前を言ったのは翼だ
「ぬいぬい!」
「一樹会長・・・!」
月子も少し驚いたが、翼と颯斗はもっと驚いているようだった
一樹は帽子を取り、こちらに向かって笑う
「月子なぁ・・・。俺、一応お前に連絡しといたはずだぞ?まぁ、今回はお前の鈍感差でもっとこの二人を驚かすことができたけどな」
「・・・・一樹会長が分かりにくい格好しているのが悪いんです」
「もしかして書記・・・。ぬいぬいがここに来るってこと知ってたの?」
翼が怪訝な顔をして言う。月子はただこくこくと頷く
「本当にびっくりしました。一樹会長あとでお説教です」
「げ、何でだよ」
「海外に行くならもっと早く行って下さい。それと、その連絡の無さどうにかして下さい・・・・というお説教を長々と」
「勘弁してくれ・・・・」
本当にやめろという顔で颯斗を見る。颯斗はふんわり微笑んでいる
別にみんな怒っているわけではない。ただ会えて本当にうれしかった
「ぬはは!ぬいぬいが来たというわけで何か食べよう!俺ぺこぺこだぞー、ぬー」
「そうだな、俺もずっと待ってて腹減った」
久しぶりの元生徒会メンバーが揃ってたくさん喋った
一樹は三人が日本に帰るまでいろいろと付き合ってくれた
また行きたいな、と思った月子でした
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