アイマイモコ
08
「─はい、じゃあ答案を後ろから集めて下さい」
「ふぅー…」
「瑞樹どうだった?」
「…まぁまぁ、かな」
中間テスト1日目が終わった。
思ったより出来は良くなく、ペンをクルクル回していた。
「…‥」
陸に視線を寄越せば、無論こんな風にテストの出来を話せるような友人はいない。だけどテストだった割には余裕そうだった。
「瑞樹…?」
「…え?な、なんだ?秋」
「なに見てたの」
「べ、別に…」
陸を見ていたとは言えない。
「なぁなぁ、高野笹川!これから僕の家で勉強会があるんだけどさー、来ない?」
「「勉強会…?」」
一瞬俺と秋の中で冷ややかな空気が流れたかと思えば、その空気を打ち消したのはクラスの男子だった。聞けば、今日のテストの難しさに頭を抱えてる奴らが多かったらしく、みんなでやりましょう。という誘いだった。
無論、陸は誘われないことはわかっていたので、
「悪い、俺行けないや」
俺は断ってみた。
「えぇ〜?笹川行けないのぉ?」
「瑞樹?」
「わりぃ。…あ、秋だけでも行ってきてくれよ、なっ?」
「……瑞樹はどこ行くの?」
「あ、あぁちょっと…」
「……」
秋が黙り込んでしまった傍らでは、クラスの男子が「残念〜」と、肩を落としながら自分の席へと戻っていった。
そして残された俺たち――つまり、俺と秋に再び沈黙が流れた。
「……秋、どうした?」
「何が?」
「……」
冷たいまではいかないけど、心なしか素っ気ないような…
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!