アイマイモコ
08
そっかー…。
おかしいなとは思ったんだ。
だけど瑞樹が俺をキライになっていたからだと思えば、すべて辻褄が合う。最近一緒に帰ってくれない、とか。お昼も食べてくれなかったんだ、とか。
「暑苦しいだって。…アホくさ」
好きだって言ってくれたのは瑞樹、お前なんだぞ!友達になろうと言ってくれたのもお前だぞ!
「……っ、」
やばい、泣きそうだ。
「――陸?」
「…っ!…あ、あぁ雄大。どうしたんだよ?」
「…お前こそどうしたんだよ?泣きそうな顔してるぞ?」
「……っ、」
今はその優しい言葉が結構グッと来てしまう。俺は男のクセして女々しい奴だよ、本当。
「え?あぁ、もしかして涙で潤んでた?欠伸だよ!あ・く・び! さっき居眠りしてたんだけどまだ眠くてさ!」
「はぁー!? 陸ずりいよ!今日の体育結構しんどかったのに、お前は優雅に居眠りかよ!」
「楽しかったぜぇ〜?1人の教室での〜んびり出来たしぃ〜」
――ウソだ。
本当は教室でサボるんじゃなかったと後悔してる。体操着を忘れたりするんじゃなかったと後悔しまくってる。
「この居眠りヤロー!」
「煩いなあ。お前もサボれば良かったじゃ〜ん」
──なぁ瑞樹?
もう…この関係を終わりにしよう?お前から言わないならそれでも良いんだ。
──友情も。
「俺は陸と違って真面目なんだよ〜!」
──恋も。
「失礼なやつだな!俺だっていつも真面目だよ!」
もう、終わりにしよう?
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