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アイマイモコ
12

「宮沢君カッコ良かったね?」
「ホントホント!!」
「あたしもあんな風におんぶして欲しいなぁ〜」


「……」

陸は女子の注目の的になっていた。当然下心で、色気ばかりサービスしてる男子たちはそれを面白くなさそうに聞いていた。
俺だって面白くない。
女子がどうこうではなく、陸が他の奴らなんかに愛想を振りまくのが気に入らなかった。

「宮沢くん‥ありがと」

「おう!気にすんな」


「──っ!」

おぶってもらった木内が、陸に頬を赤らめながらそう言うと陸はニカッと笑い返した。しかしその瞬間、俺の胸はグチャグチャ何かが渦巻いて仕方なかった。
まるで陸が知らない人に取られてしまうみたいな‥このじれったさと言うか焦燥感。

「宮沢ぁ!今度私が挫いた時もおぶってくれる?」

「100s以上なかったらな?」

「っ、ないもん!!」

「…はいはい」

「宮沢っ!」

陸がイジワルを言うと女子は「もう!」と頬を膨らました。けど女子も本気で怒ってるわけではなく、まんざらでもないと言った感じで楽しそうだった。
そして、そんな姿に陸もとても無邪気に笑っていた。その顔はあの頃の笑顔とちっとも変わっていなかった。

「さてと、私ももう少しだから頑張ろうっと!」

「え‥木内、お前まだ歩くつもりなのか?!」

「うん!だってせっかく頑張ったんだもん。宮沢くんに頼ってばかりじゃ意味ないしね」

「…‥大丈夫か?」

「うん!平気だよ」

そう言うと同時に女子が助け合って木内を抱き上げた。男子と違って、いざという時にみんなで助け合いながら一致団結させるところは、我ながら少し羨ましいとさえ思った。
陸もそんな女子に「逞しい奴ら」と笑っていたけど、女子は「か弱いんだから優しくしてね」と言っていたのが聞こえた。

「ホントにか弱いのかよ」

「「「か弱いの!」」」

「す、すまん…」

「「「あはははは!」」」」






「……」

俺の中での女子のイメージは…ミーハーで泣き虫でワガママで格好いい男を見ると「イケメンイケメン」とがっついてるんだと思っていた。
少なくとも、俺の身近にいた女子はそんな奴ばかりだった。
俺の知ってる女子同士の友情だって、携帯1つで繋がってるような安っぽい関係だったのを俺はよく覚えている。


──だけど、このクラスの女子にはそんな安っぽい友情とは無縁の強い絆のようなものが見えた気がする。

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あきゅろす。
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