アイマイモコ
05
「ただいま…」
「あら瑞樹、おかえり」
「うん」
結局、遠足の件に関して陸は女子たちとチームを組むことになったらしい…
「──あ、そういえば瑞樹。手紙来てたわよ」
「は?どこから?」
「中学校から」
「……は?」
「……どうそうかい?」
《同窓会のお知らせ》
部屋に置いてあった手紙を開くと、母親の言うとおり中学校からのメールで、内容は中1の時の同窓会のお知らせだった。
なんで今さら同窓会なんてやるのかって思ったけど、考えてみれば俺達もう高校に入ったんだから、ないこともないのか!
「……」
久しぶりだなぁ…
あの頃の俺は無口で、誰も俺に近寄る奴なんていなかった。近寄りがたいと言われていたのは知っていたけど。
だけど陸はそんな周りの奴なんて気にもせず、ジュースを持って走ってくるんだ。
…って、俺は何をあんな奴の事なんて思い出してるんだろう!
「……」
きっと‥俺の頭の中がまだ整理しきれていないんだ。
目を閉じると、まるで昨日のことのように思い出す…──
・
・
・
『──えぇ、新しいクラスで友達出来たのか?そっかぁ!よかったな瑞樹!』
『あぁ!!みんな話してみると結構話しやすいって言ってくれたんだ!』
『うん!もっといろんな事を話すと良いよ!きっと瑞樹の良いところを見てくれるよ』
『陸。俺はお前が友達で本当に良かったよ──…』
『……そっかぁ!』
当時、恋人になったばかりの頃。陸は毎日俺に電話をくれた。
俺も男のクセにその電話に1時間も付き合って長電話をした。
また次の日だって会えるというのに…‥
けど、話題豊富な陸はそれでも電話を続けた。
その時の陸は、とても嬉しそうだった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!