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アイマイモコ
10.終

「陸…どうしたんだ?」

「ん?あぁ!なんでもないなんでもない」

「はははは!陸、お前まだ寝ぼけてるのかよ」

「うるせ!」


「……」

俺はいつも友達に囲まれていた陸が羨ましくて仕方なかった。
おいてけぼりくらったようで、俺は勝手に落ち込んでいた。

そんな陸が今、友達の一部の人とうまくいっていないと聞いて驚きを隠せなかった。






「陸!お昼一緒に食べよう?」

「…‥‥」

昨日の事もあったので俺が少し強引にお昼ご飯に誘ってみた。当然、俺の誘いの声にキョトンとした顔をして立ち尽くしていた陸。

「聞いてんのか?陸!」

「……あ、あぁ!」

「なぁ?一緒に食おうぜ?」

「……っ、うん、良いよ」

一呼吸はおいたが、陸が笑ってOKをしてくれた。

そして今は屋上にいる。

本当は…陸と再会したら、なぜ俺に一言も言わずに転校をしちゃったのか聞こうと思ってた。
だけど蔑ろにしたと言う、陸に対しての後ろめたさ…
その原因の一端が自分にあるんだと思ったら、陸には聞けなかった。
そして陸も、俺たちの過去を口には出さなかった。

「けど陸、ホントに久しぶりだな!改めて言うのも変だけど、懐かしいよ」

「…あ、あぁ、俺もだよ。まさか俺もお前とここで再会するとは‥思わなかった」

それはそうだ。俺は陸を追い掛けてやってきたんだからな。
俺はそう思いながら陸の話しに相槌を打った。

「でもさー‥」

「‥え」

「これからはいつでも一緒にいられるな!」

再び俺から話しを切り出すと俺はゆっくりと陸の片方の手を取って、そして俺の手に重ねた。

「…‥っ!」

そして重ねた手を更にギュッと強く握った。
陸は一瞬ビクッとして戸惑っていたのが視線に入ったけど、俺は知らない振りをして重なり合った陸の目線に向かって優しく微笑んだ。

「‥ね?陸」

「…‥う、うん」

友情が復活したら今度は恋人に戻ろうと考えてる俺。 その為なら強引だろうとなんだろうと手段は選ばず、絶対に陸とよりを戻して自分のものにする。
たった1年で、人の心が変わるとは思えねぇ!
陸だって、きっとまだ──

そしたら陸、お前は…なんて言ってくれる?


───YES? or NO?

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