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アイマイモコ
09



「な?だから言っただろう?」


「…‥」

帰り道。結局、陸に帰りの誘いを断られた俺は、例のクラスメート達にその事を伝えるとそう言われた。

「いくらバイトだってさー、途中までは一緒に帰れるだろ、って話しだろ?」

「…あぁ、ま、まぁな」

「瑞樹は陸と話ししたんだ?」

「…あぁ、少しだけ」

3人は「へぇ」と相槌を打つと、続けて陸の話しをしながら俺にもいろいろ聞いてきた。

「陸ってさ、人当たりは良い奴だからあんまり憎まれる事はないんだけど、付き合いが悪くなったからクラスの一部の奴に爪弾きにされてるんだ」

「…え?‥そうなのか!?」

「 うん…」

あまりこういう事は言いたくはないだけど、私立の学校と言うのはそんな事で人を嫌うようなものだろうかと少し偏見を持ってしまった。ましてや結構金持ちで甘やかされてる坊っちゃまが多いから尚更なのかも…
それは今日見てて分かった。

「陸はその事に気付いてるのか?」

「…さ、さぁ?俺達も最近、陸とつるんでないし」

いや、きっと周りに人が絶えない事が当たり前だった陸はまだその事に気付いてないだろう‥

俺はその事実に眉を顰める──

「あ、でも…ホントに一部の奴だし、俺達だって何だかんだ言っても陸、嫌いじゃないし!」

「‥そっか…」

俺は、そう言ってくれた3人に安堵した。
しかし──そこで俺は迂闊にも3人の名前を聞いていなかったことに気付いた。その事を言うと3人に爆笑されてしまった。

3人の名前は「小泉」「中谷」「大野」というなんともギャグみたいな名前のようだ!
よし!今日からコイツ等は『大中小トリオ』に決定だ。いまいちネーミングに捻りはないけど、良いとしよう!

「えぇー?瑞樹、そのネーミングダサ過ぎだよ」

「良いの!分かりやすいし!」

「略し過ぎだろうが!大中小って…グスン」


陸は‥今、なにしてるだろう?

小泉達と楽しく話してる間もふと頭をよぎって事。
それは、アルバイトをやっていた陸、一部からあまりよく思われてない陸、付き合いが悪い陸。

全てにおいて違和感だらけの陸の姿だった。

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