[携帯モード] [URL送信]

アイマイモコ
07

…んー、あれぇ?いないなぁ‥
さっきまでいたのに…


「なぁ?お前たち宮沢 陸を知らないか?」

「え? 陸ならさっき、教室を出ていったよ」

「はぁ…」

陸を探す度に、周りから返ってくる答えはずっとコレだった。
休み時間になると陸はどこかに行ってしまう。
それは、俺から逃げてるのか、はたまた違うクラスの友達と会っているのか。どちらにしても陸がいない事だけは確かだ。

「なぁ、笹川」

「…あ?」

俺が陸探しに躍起になっているとクラスの一人の奴が肩を叩いてきた。

「今日さー、放課後遊びに行くんだけど、良かったら笹川も行かない?」

「…え?放課後?」

これは…‥お友達の遊びのお誘いというやつか?
陸以外から初めて誘われた!
これは、もちろんOKしないわけがない!
そして俺はせっかくなので陸も誘おうと提案を出した。

「いいよ! あ、なぁ宮沢 陸も誘わないか?」

「え、陸…?」

「「……っ」」

すると1人の奴が、後ろにいた友達に振り返ったが友達は首を静かに横に振った。

え?…なんだろう?今のは。

「あのさ、悪いけどアイツはいいや!」

「…え?な、なんで?」

「ここだけの話し、陸の奴最近付き合い悪りぃんだもん!な?」

「「あぁ…」」

3人の話しによれば、どうやら陸は最近バイトが多忙だとか、気が向かないとかの理由で付き合いが悪くなったらしい…

陸にあるまじき行為だ!

「それで最近佐藤も陸と口聞いてないのか…」
「らしいよ?」
「まぁ、陸が悪いんだしな!」


「…‥」

──1年前と変わったこと。

それは‥今のクラスでの陸はあんまり評判が良くないことだ。
朝、遅刻して教室に入ってきた陸は、とてもにっこりとしていた。だけどその裏でそんな事があったなんて、今日転校してきた俺は思いもしなかった。

「わりぃ!笹川。愚痴っぽくなっちゃったな?」

「…‥あ、いや、」

「「よし! 行こうぜ!」」

「え!?ちょ、ちょっと!」

そう言って誘ってくれた3人組に背中を押され、半ば強引に次の授業の教室移動をした。

[*前へ][次へ#]

7/10ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!