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アイマイモコ
05

休み時間になるとその笑い声につられたのか、周りのみんなも俺達の所に集まってきた。
それは…俺が憧れていた友達付き合いというやつだった。

こんな気分は中2の時以来だ。

だけどあの頃はその事に夢中になり過ぎて陸を蔑ろにしてしまったんだ。

「…‥あ」

すると──みんなが自分に集まってくる中、こっそりと人の波間から陸の姿が見えた。だけど頬杖を付いてた陸は席を立ち上がりと教室から出ていってしまった。
そんな陸に俺は思わず声が漏れてしまった。

けど、周りはガヤガヤしていて俺のか細い声など聞こえていなかった。

「‥瑞樹?」

「…‥」

ただ、声は聞こえなかったが表情には出ていたみたいで周りにいる奴らが心配そうに声をかけてきた。
俺は「なんでもない」と言うとみんなは安心したみたいで、また談笑し始めた。

陸は教室を出るときも1度も俺を見ようとしなかった。
…もしかして、俺がここに来たことをよく思っていないのか?そして、俺とは話さないつもりなのか?なぁ、陸?






「…‥」

教室を出て行った陸は、あれから屋上へと足を向けたのだ。そしてフェイスに寄りかかると、携帯音楽プレーヤーを聴き始めた。

すると屋上のドアが開いた。

「‥あれ、陸サボり?」

「…‥」

「もぉー!イヤホン外せよ!」

「っ!」

「ったく…隙だらけだな!」

そう言った男はフェイスに寄りかかる陸の隣に座った。
しかしそれに対して、陸は特に気にするでもなく、再びイヤホンを耳にかけながら言った。

「…何?」

「んにゃ、俺もサボるだけ!」

「…ふーん」

陸はつまらなそうに相槌をうつと隣の男は何も言わずに寝てしまった。
“マイペースな男だ”その男を横目に呆れながら見ていた陸。

「……」

だけど時は静かに流れてゆく。

春のそよ風はそんな陸の髪をもなびかせた。その暖かい風はまるで、眠りを誘う薬のように優しいものだった。
そんな陸も徐々に引き寄せられるように、静かに瞼を閉じた。



──無常にも2限を知らせるチャイムが鳴っていた。だけどこの男も、そして陸も教室に戻ることはなかった。

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あきゅろす。
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