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アイマイモコ
02

自分で言うのも何だが、15年間この顔と付き合っていると、なぜ周りがざわついたのか分かってしまうのだ。

「キレイな顔立ち」
「ホントに男かよ…」
「背が高ーい」

周りは、口々に俺を見てそう言ってきた。
それにしても俺はさっきから先生の目を掠めて当たりを見回しているのに陸らしき姿が見当たらない。
考えたくはないけど陸は恐らく違うクラスにいるのだろうと肩を落とした。

「笹川君、どうしたの?」

「…え? あ、あぁ!いや、なんでもないッス」

先生は俺の様子を見て、心配そうに声かけてきた。
俺は先生に「何でもない」と言うと先生に指定された席に座ることにした。


「なぁ?お前、1ヵ月遅れで入学なんて訳ありなの?」

「‥…は?」

席に着くなり俺の前に座っていた男がこちらを振り返った。いきなりなんともストレートな質問が来た。
複雑な事情だったらどうするつもりなんだろうか?

「…まぁ、訳ありと言えば訳ありだな!」

「ふーん」

よく見ると、目の前のこの男も格好いい奴だった。
黒髪の短髪で、美形と言うよりは爽やかで男らしい感じだ。
身長も恐らく俺と同じ182pはあるだろう。

そして、その男が俺の返事に相槌を打つと今度は笑って手を差しだしてきた。

「俺、高野 秋。よろぴくね?えーっとー…」

「笹川瑞樹だ!よろしくな! …けどお前さー、名前くらい聞いとけよ」

「わりぃな!名前覚えるの苦手なんだよ。俺」

「…‥」

こうして転校からすぐに1人目の友達が出来た。

昔は「友達が出来ない」と泣き言を言っていたがもうそんな事は言わないで自分から進んで友達を作ることにした。
これは陸がいなくなってから自分で学んだ事だ!

だけど、こんなにいきなり馴れ馴れしく声をかけてきたのは陸以来だから少し驚いた。

「……」



ガラっ──


「セーーフ!間に合った!」

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あきゅろす。
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