[携帯モード] [URL送信]

アイマイモコ
02

ある日の瑞樹と約束の時。俺は当日になってドタキャンをされた事があった。
理由は風邪を引いたとの事。

──けど実際はウソだった。

そのあと、俺が別の友達に誘われてカラオケに行った時、その場所で風邪だと言ったはずの瑞樹が、男女6人と騒ぎながら出てきた所に鉢合わせしたからだ。
俺は次の日どうしてウソを付いたのか、と瑞樹を問い詰めた。
瑞樹はもうウソつかないから、と謝ってそう約束してくれた。
けど結局、次の約束は携帯で『そんな事言ったっけ?』とすっぽかされ、その次の約束は『宿題してて忘れてた。悪いなぁ』と、片付けられてしまった。

最近ではギクシャク状態だ。
いや、どっちかと言えば俺の方が気まずい感じだ。

「はぁー、ため息ばっかだし…」

でも問い詰めたりする事だってあるけど、出来ることなら俺はあまり煩く言いたくない。だからドタキャンされても、約束を忘れられても、聞き分けの良いフリをした。

瑞樹に嫌われたくないから…

「……‥」


本当は分かっているんだ。
今日、俺を先に帰らせたのは友達と一緒に帰るんだって事くらい。

友達といると楽しい、という温かい気持ちを知ってしまった瑞樹にとって、毎日イヤと言うくらい顔を付き合わせてる俺より、新しく出会ったたくさんの友達といる事の方が楽しいに決まってる。

そろそろ潮時なんだと思う。

それは…恋人としても、親友としても、と言う意味で…。

俺が初めて瑞樹と友達になったのは入学した時で、告白をしてくれたのは向こうからだ。
最初は大親友と呼べるくらいお互い何でも話していたし、とてもウマも合っていた。
それは告白されてからも変わらなかった筈なのに、それなのにクラス替えから半年でこのザマだ。

今、確実に瑞樹は俺から離れようとしていた。
本人にそういう気がなくても、少なくとも自分にとって今の瑞樹は遠い存在になろうとしていたんだろう。

[*前へ][次へ#]

2/18ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!