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アイマイモコ
17

「お前さ、ずいぶん陸の事をほっといてくれたよな?」

「そ、そんな事…‥」

「あるだろうっ!お前の友達が、陸に近づこうとしたらお前は自分の友達を取られるのがイヤで、陸を突き放したじゃねぇかよっ!」

だって…‥だって、そうしなきゃ、友達が陸に取られちゃうだもん。陸は、いつもたくさんの友達に囲まれてたのに、俺にはいつも誰もいなかった。
陸から取り残されたみたいな気がしたんだ。
だから、友達が出来た時は本当に嬉しかったんだ。

「……」

「はぁー。ま、終わったことをいつまでも言ってても仕方ないか」

「…なぁ雄大?陸は今どうしてるんだ?元気でやってるのか?」

「お前に言われる筋合いはないけどな!…それと、期待してるとこ悪いけど、陸は不思議なくらいに元気だぜ?」

「…‥」

――ショックだった。

知らない土地で陸が俺を思い出し泣いてんじゃないかと、俺は心のどこかで期待している自分がいたからだ。

「何?瑞樹ショック受けてんの?やめろよな。お前はホントにご都合主義なワガママだよ!」

「…‥」



俺は――今頃になって気づいてしまった。

俺には、やっぱり陸が必要なのだと言うことに気付いてしまった。自分が先に突き放したくせに陸が俺の前からいなくなって、初めて実感した。

「……」

そんな俺の姿を見ながら、雄大は何か思い出したかのように呟いた。

「あ、おい瑞樹!もう一つ聞きたいことがあったんだ」

「…え、」

「あー、俺もわかんないけどずっと前に陸、お前が廊下で友達と話してるのを見たって言ってたんだ。別れるって言ったのが、そのすぐ後だったから気になったんだ」

「…?」

俺はその時、雄大の言う「廊下」とか「友達」とか‥言った事が何の事なのかさっぱり分からなかったけど、俺はもう一度陸に会いたかった! 
陸がいないと俺は何にもできないし不安だ!

「お前、他にもなんか言ったのかよ?」

雄大は俺が陸に何か傷付けるような事を言ったのではないかと、眉をしかめた。

「何も言ってねぇよ!」

「…‥なら良いけど、もし言ったんだったら俺は許さないからな!瑞樹!」

──しかし、この話しが後に俺を後悔させる事となるのだ。

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あきゅろす。
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