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アイマイモコ
16

「‥おい‥転校って…」

「…え?笹川お前、陸と一番仲良かったんじゃなかったのか?」

「…‥あ、あぁ」

「3月の終業式が最後だったんだよ。…でもさ、俺達もちょっと驚いたよな!?」

「あぁそうだな!けど、カラオケ超楽しかったよな!?」

「あぁ!」


終業式が最後って…‥
カラオケって‥‥

俺はその日何してたっけ?

そうだ。確か、真衣が俺に告白してくれて、俺は嬉しくて陸の事も忘れてOKした。
そして夜は一緒に出掛けたら、大きな紙袋を持った制服姿の陸がいて、みんなでカラオケに行ったと言っていた。
俺は、ちょうど良い機会だから陸に別れを告げた。
陸は目を見開いてたけど、すぐに別れようと言ってくれて、俺は友達に戻ろうと言った。


──あれが最後の日だったって言うのか!?

だって陸は俺が「始業式にな!」って言ったら「うん」って、頷いたんだぞ!
それに俺に黙って行くわけがないじゃないか!



「よ、瑞樹。お前も同じクラスだったのか?」

「っ、」

教室に入ってきた奴が俺の肩をポンと叩いて声をかけてきた。
──それは、佐原雄大だった。

「ゆ、雄…大?」

「ん、何だよ」

「…‥り、陸が…」

瑞樹が、陸の名前を口に出した途端に雄大の表情はなくなったが変わりに口角を少し上げ言った。

「ちっ。あーあ残念。もう陸の事がバレちゃったか〜!」

「…は?」

「いやー、陸の事いつまでバレないか試してたのになぁ〜」

「…っ、ふざけんなよっ!おい雄大っ、なんで陸の事俺に言わなかったんだよっ!」

瑞樹は、雄大のおちゃらけた態度に怒りが頂点に達して胸倉を掴んだが、逆に雄大の方は、瑞樹の勝手な言い分に腹が立ち、瑞樹の胸倉を掴み返した。

「言わなかった…‥だと?お前、よくそんな事言えたもんだな!」

「…は?」

「アイツが言わないから俺が言ってやるよっ!陸をほっといたのは誰だよっ!新しい友達作って視野でも広げたつもりか!?――お前最低だな?」

「…‥っ、」


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