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ブラザーに愛をこめて
20

放課後――
久しぶりに龍と帰っていると、突然「よぉ!」と言って長谷川さんに軽く肩を叩かれた。

「あ、こんにちは!長谷川さん?あ、あのー…こないだはすいませんでした!」

「…え?あぁ良いよ良いよ。それより翔太クンの方こそ頬はもう大丈夫そう?――けど、園田とは仲直り出来たんだろ?」

「…え」

仲直り…?
あ、まぁー、謝ったんだからそういう事にはなるんだけど、俺達は元々折り合いが悪いから、これで仲良し兄弟だ!と言うわけにはいかないし、俺も兄貴が嫌いなのは相変わらずだし。
兄貴だって、俺を嫌ってるのは相変わらずだし…。

「ま、まぁ、そんなトコです」

取り敢えず笑ってごまかした。
しかし、一方の長谷川さんは何かに気付いたらしく俺のある一点をジーッと覗き始めた。


「――ねぇ翔太クン?」

「はい?」

「気になったんだけどさぁー…それってさ、」

「え?」

そう言った長谷川さんの視線を辿ると、先程の龍同様に兄貴からのネックレスに食いついてきた。
コレ、そんなに俺が付けてると違和感あるのかな?

「えっと…、これは‥その、兄貴から貰ったんです」

「‥え、園田が?…へぇー」

長谷川さんは自分の顎に手をあてると俺を見て、薄く笑った。

ここ数日の姿を見ただけだけど、長谷川さんは兄貴と違って対処の仕方がとても大人だ。
こないだだって俺達の大ゲンカを意図も簡単に止めてくれたし、兄貴の宥め方もよく知っている。

確か、高校の時からの友達だって聞いたけど俺が知り合ったのは、愛子さんと同時期だったから本当の長谷川さんはまだわかんないけど。
けど、やっぱり大人だと思う。

「長谷川さんって、何で兄貴と友達なんですか?」

「……え?」

「っ!」

しまった!つい思っている事を口に出してしまった。
何やってるんだよ、俺。
ああ、長谷川さんも不思議そうな顔をしちゃってるし‥。けどそれも一瞬で元の表情に戻ると長谷川さんが口を開いた。

「翔太クン」

「……は、はい!」


「園田に…さ、キツく言わないで、優しくしてやってね?」

「……は?」

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