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ブラザーに愛をこめて
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「アイツってクールだな!?」

「‥…アイツって誰だよ?」

「さっきの‥倉橋とか言う奴」

「……」

お昼になり俺の教室に来た龍。俺は今朝会った倉橋クンの話しを切り出すと途端に不機嫌そうな顔をしながらストローを口にくわえた。

「あぁ、確かにクールだな! それに加えて、いつもスかしてて俺は嫌いだ!」

「…‥!」

少し驚いた。だって、決して人の悪いところ(俺を除いて)を言わない龍が不機嫌そうにそう言ったからだ。
あ。でも、そういえば龍はさっき倉橋クンとあんまり話してなかったもんなぁー‥

「なぁ翔太。お前さっき、昨日倉橋がなんちゃらって言ったけど、何?」

「…あぁ! 昨日、龍が来ないからお前のクラスに行ったら倉橋クンが『柳田はお休みだ』って教えてくれたんだ」

「へぇー‥」

すると龍は「あっそ」と興味なさげに返事をした。
なんだよ龍!自分から聞いたくせにぃぃ!


「‥あ! それより、さっきから気になったんだけど」

「はい!?」

今まで不機嫌だった龍は、忘れたかのようにケロッとした声で唐突に俺に話しをかけてきた。
「喜怒哀楽」とは、龍みたいな事を言うんだな。

「そのネックレスどうしたんだよ? それって翔太の趣味じゃないよな?」

「…‥あぁ、これ?これは兄貴から貰ったんだよ」

龍に見えるようにYシャツの中からチラっと出すと兄貴から貰ったネックレスを見せた。

「…っ!マジで!?それ怜治さんから貰ったの?」

「うん。誕生日プレゼントとか言ってたけど…」

俺が言うと龍は完全に不機嫌さを無くして、そのかわりに目をキラキラさせて「そっかぁー怜治さん、やるなぁー!」とわけの分からないことを呟きながら体を震わせていた。
何を鼻息荒くしてるのやら…

「翔太!そうやって一歩ずつ進みなさい!」

「あい?」

いや、肩をポンとされても何にどう進めば良いんだか具体的に教えてくれると有り難いんだけど…って、今の龍に言ったって聞いてやしないし。

「そっかそっかぁ、怜治さんも大変だったなぁ!」

「…‥?」

独り言なら余所でやってくれ…
心の底から俺はそう思った。

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あきゅろす。
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