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ブラザーに愛をこめて
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「ピアスにしようかと思ったけど、お前に似合わなそうだったからやめた」

「…‥っ」

ああ。そうかい!どーせ兄貴と比べたら平凡ですよ!だけどそれがどうした!平凡は平凡で楽しくやってるんだぞぉ!

「‥お前、百面相しすぎ」

「がぁぁぁーー!平凡がどうしたぁぁぁっ!!!」


「お前…大丈夫か?」

頭を抱え、雄叫びをあげた俺に兄貴は気の毒そうに苦笑いをしながら安否を確認してきた。

‥‥‥大丈夫ですっ!

「あ。でもピアスは痛いから嫌かも…。兄貴、よくそんなに付けられるな!痛くないのか?」

「全然。 それに痛い方がやりがいがあるし…」

「…‥兄貴って‥ドSかと思ったけどドMなのか?」

「…‥どっちかと言えば、お前みたいに苛めがいのある奴を痛めつける方が好きだな‥」

「…っ!!!」

俺と兄貴の間に距離ができた。
い、苛めるのが好きって…
殴ったりとか蹴ったりとか!?

「…わわわ、悪いけど俺そんな趣味はねぇし!!」

「…はぁー‥お前なぁー、冗談に決まってるだろう?」

「っ、兄貴が言うと冗談に聞こえねぇんだよ!」

まったくぅ、兄貴は俺をからかって何が楽しいんだろうな!
そんな暇があるんなら、そのご自慢の美貌で好きな人を口説き落としてしまえぇ!そうすれば俺への負担だって、半分は彼女に行くはずなのだ!
「彼女」になる予定の人には悪いが、俺だって兄貴を1人で相手するのは結構大変なんだよ。

「‥っ、とにかく、ピアスはしばらくいい」

「あっそ」

そう言って兄貴は運転をし始め、俺はまた嵌めて貰った薬指の指輪を物珍しげに眺めていた。
はぁー、これが若い男女だったら端から見れば、まるで婚約指輪をもらった女の子のようにも見えるのだが、残念ながら俺達は兄弟。しかも男同士なのでそんな甘い雰囲気はありませんでした。‥とさ?

あぁ、俺も彼女が欲しいなー‥

「…‥」

「──っ!」

げぇっ、兄貴がタイミングよくこっちを見てきた。
…び、びっくりしたぁ。
兄貴にまた俺の考えている事を見透かされてるのかと思った。
このエスパー怜治めぇ!

「…‥。ニヤニヤ笑うかと思えば、今度は何しかめっ面になってるんだよ、お前は…?」

「…っ、にゃはははぁー‥」

「可愛くねぇよ」

こいつ、本っ当にムカつく!
打倒兄貴っ!今ここに誓う也。

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あきゅろす。
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