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ブラザーに愛をこめて
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「――あ。って言うことはこのネックレスは…‥俺への誕生日プレゼントってこと?」

「…っ!お、お前は全然洒落っ気がねぇし、童顔でガキっぽいから兄貴の俺が恥かくんだよ!」

「んだと兄貴っ!」

「そーやってすぐに怒るしな」

「‥っ、…ご、ごほん!」

兄貴に図星をつかれた俺は、とりあえず誤魔化す為にわざとらしい咳払いをしたが兄貴は不敵な顔で笑ってきた。

「ところで何で指輪がネックレスに付いてるんだよ?」

「バーカ!私立の高校で指輪なんかやってったら即没収されるだろう!?だから普段は絶対に首に引っかけてろ」

「へぇー‥なるほど!」

「…‥お前なぁー‥」

俺は呆れてる兄貴を余所に、普段はつけたりしないネックレスを夢中になって眺めていた。
そんな俺を見た兄貴が、今度は頬を若干赤らめながら言った。

「指輪…、今だけなら‥嵌めてやるよ」

「…‥は?い、いいよ。自分で今度付けてみるから」

「良いから、かせっ!」

「あっ…、」

兄貴はネックレスから指輪を取ると俺の左手を取り、薬指にゆっくりと指輪を嵌めてくれた。

「ほぉー‥すげぇー俺指輪なんてしたことないや!」

「なくしたら殺すからな!」

「おうっ!ありがとう兄貴!俺大事にするからよ!」

「――っ!」

本日2回目の翔太の素直な笑顔に、怜治も終始ご機嫌だった。
なんせ、いつもだったら口ゲンカだけで終わってしまう日があるから今日みたいに翔太がにっこりと笑う姿は怜治にとって、とても貴重なのだ。



「…珍しく素直だな」

「俺はいつだって素直だよ!」

そんな今の翔太を表現するんだったら『可愛い』って言う言葉が一番シックリくる。
怜治にとって、この世で一番愛しい弟の翔太を見ながらそう思ったのだった。

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