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ブラザーに愛をこめて
07

龍と机を並べてお弁当を食べ始めていると、龍がへらぁ〜。とニヤケてきた。
さっきの俺より気持ち悪い。

「今日さ、彼女が…あ、愛ちゃんって呼んでるんだけどさ。愛ちゃんにお菓子でも買って行こうかなぁと思ってるんだ」

「はいはい、それで?」

「一緒にお菓子買うの付き合ってくれるぅ?」

「…‥」



──と言うわけで急遽、龍の付き添いでお菓子を買いに行くことになってしまった。
ったく、初めてのおつかいじゃあるまいし、お菓子くらい自分で買いに行けよって感じ。


そして放課後になり、クラスが違う俺達は廊下で落ち合ってから目的地に向かった。
だけど着いた場所は、いかにも女の子が好きそうなケーキ屋さんだった。
それと同時に、どうして俺を連れてきたのか理由がわかった。

そのお店には、夕方4時から限定50個しか販売しないケーキがあるらしく、並んでるのはみんな女の子ばかり。その中で男が一人並ぶのはあまりにも居心地が悪いから俺を巻き込んだんだ。

「お前なぁ、早く言えよな!こういう所に行くのは色々と心の準備が必要なんだよ」

「ごめん!だけどさー、愛ちゃんがさ、前にここのケーキ食べたいって言うからさ、ちょっと俺なりのサプライズ?」

「…‥」

へぇー。ふーん。

何気に龍って、こういう所は本当に気配りが上手いなぁと思う。
そう、サプライズだと言って楽しそうに話しているのを見ていたら、行かない。とは言えなくなってしまった。

「…はぁ、しょうがないから付き合ってやるよ」

「うん、ありがとう翔太!」


その“愛ちゃん”とやらは、甘いものが相当お好きらしく、龍はケーキを5個購入していた。
てっきり家族のかな?と思ったのに、龍にあっさりと「全部愛ちゃんの分」だと否定された。

うげぇ、5個って…‥考えただけでも胃がもたれそうだ。

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あきゅろす。
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