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ブラザーに愛をこめて
06

なんでかな…?
龍が自分の彼女の話しをしていたせいだろうか‥?

2限が始まった頃、俺は頬杖をついて窓の外を眺めながら少し思い出に浸っていた。

「………」

──思い出したのは、3年前の彼女の事だ。

彼女と出会ったのは、中1の時で、ちゃんと付き合い始めたのが中2の始めだった。
龍にはもちろん紹介したから、龍とも顔見知りだった。
お互い、一緒にいるうちに自然とそういう形になっていた。

彼女はすごくのんびりとした性格で、それが故に、よく忘れ物をしていたそうだ。
けど、そんな彼女といると俺はすごく幸せな気持ちだった。


兄貴に会わせるまでは…──






「──…‥太!」

誰だよ?俺を揺さぶるのは!
もう少し寝かせてよ。
良い夢を見てる気がするのに起こさないでくれよ!

「翔太ってば!」

うーん、だから起こすなよ…

「おい!翔太っ!!いい加減に起きんかぁぁっ!」

「……っ!!!」

その叫び声に、勢いよく飛び起きた俺の目の前には、お弁当箱を持った龍がいた。

「おそよーございます。もうお昼だぞ?翔太」

「……う、うん」

…あぁそっか。俺、いつの間にか寝てたのか?
あーあ、授業全然聞いてなかったし‥。

だけど不思議と、朝の兄貴へのムカムカは治まった。
なんか、夢を思い出すと切なくて胸がキュ〜ンと……

俺って…‥気持ち悪い?

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あきゅろす。
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